堰開けて通す萍紅葉かな

稲が稔るのと一緒に浮草も色づいてくる。稲の誇らしげな色に比べて、こちらはちょっと寂しい。上流の田圃の落し水で用水路に出た浮草が下流の堰を越えられずに溜まっている。その堰の板を外して浮草を流してやる。しばらく行くとまた次の堰があるだろうが、とどまったり流れたりしていくうちに、いつの間にか浮草は無くなって行くから不思議だ、、、。(2021年秋詠)

早起きの鵙あり一番列車来る

早起きと言っても鵙は明るくならないと起きて来ない。冬至に向かって朝はだんだん遅くなる。始発の通過時刻は変わらない。そうすると夜明と始発の通過が重なる頃と言えば、ちょうど今頃の句だったか、と昨年の句を自分で推理してみる、、、。(2021年秋詠)