つい暑さを理由にしてしまった昨年の句ですが、今年も暑さは変わらず、いや齢のせいか益々堪える暑さになっていくような、、、。(2023年秋詠)
月: 2024年8月
鬼灯の朱し思ひ出ほろ苦し
まだ子供が小さかった頃、散歩途中の道端に熟れていた鬼灯を頂いて、その種を庭に蒔いておいたら翌年芽が出て実が生りました。以後毎年少量ですが我が家では鬼灯の朱い実が、、、。(2023年秋詠)
陰りたる所の暗さ秋初め
日差の角度の関係でしょうか、今が一番日向と日陰の明暗がはっきりしているように感じます。いきなり日陰に入ると目が慣れるのにしばらくかかります。年齢のせいもありますね、、、。(2023年秋詠)
日陰りて一陣の風秋涼し
秋とは名ばかり、こんな所に見つけた小さな秋、、、。(2023年秋詠)
立秋や日差入り初む部屋の隅
「立秋です」とだけ言っておきましょう、暑い日が続いておりますから、、、。(2023年秋詠)
広島忌机上に融けるチョコレート
例年の如く暑い日の予感、と言っても仕舞い忘れたチョコレートが融ける程度、あの日に比べれば幸せな事でしょう、、、。(2023年夏詠)
声変わりして少年の夏の果
さすがに夏休み、市民プールは少年少女がいっぱいです。とは言え多いのは小学生、以外と少ないのが中学生。声変わりするようになると市民プールでは物足りないのかも知れませんね、、、。(2023年夏詠)
夏川のあぶく流れてゆく遅さ
水量が減った川、先にある堰を越えられないのだろう、いくつものあぶくが浮いている。澱んでいるようで、よくよく見ると少しずつ流れている。ゆっくり、ゆっくり、、、。(2023年夏詠)
夏暁のつぎつぎ音を拾う耳
そろそろ起きようかと寝床の中で目をつぶったままうとうととする時間。遠くから次々に朝の音が聞こえて来る。蟬の声、鳥の声、踏切の音、、、。(2023年夏詠)
稲の花見てゐて声を掛けらるる
早いですねえ、県北ではもう稲に花がついていますよ。掲句は昨年の、同じく夏に詠んだ句。もう花がと感心して眺めていると後から声が、、、。(2023年夏詠)