緩やかに風の撫で行く稲の花

故郷まで2時間ばかりの帰省だが、その間でも田圃の状態にはずいぶん差がある。早いところではもうすっかり色づいて稲刈を待っているような所もある。昔父が生きていた頃には、帰省する度にどの辺りの田圃がどうかとよく質問してきたものだ。春には田植を秋には稲刈を。その頃からの癖で今でも田圃を観察しながら車を走らせるが、もし父が生きているとすればさしずめ、ずいぶん休耕田が増えたね、と報告するところだろう、、、。(2017年秋詠)

日翳れば夕風やさし稲の花

稲の花は県北ではもう少し前の景になります。日が出れば夏、日が翳れば秋の夕景となる頃、散歩に出る時刻の選択が難しいのです。曇っているからと油断して早めに出ると、とたんに太陽が顔を出してひどい眼に遭ったりします。アスファルトも犬にはまだ熱いだろうとの親心もあります。が、犬のほうはそんな事はお構いなしで、「いつでも行けるよ」という顔をして、こちらを見続けています。そうは行かない、、、。(2014年秋詠)