うらぶれて枯るる蟷螂草の陰

そもそも逃げ足の速い昆虫ではないけれど、この時期になると余計に緩慢な動作に見える。生まれながらにこの色なのか、秋の深まりに従って色が変わるのか知らないが、色もうらぶれて見える、、、。(2022年秋詠)

栗の毬残し獣の宴跡

栗は好きですが栗を剥くのは苦手です。掲句はその外、栗の毬です。とある所の栗の木の下に明らかに獣の荒らした跡、散らかって残っているのは栗の毬だけ。人間なら靴で毬を踏み広げて実を取り出しますが、獣はどうやって取り出すのでしょうね、、、。(2022年秋詠)

廃屋の二階窓から蔦紅葉

廃屋と言っても郊外の国道沿いの家並の中の一軒、それほど古いようにも見えないが外壁を蔦が這っている。よく見るとその蔦の出所は二階の窓。ガラス窓の内側にも蔦が見える。その蔦が窓の隅の隙間から出てきて外壁を伝って、もうすぐ屋根に届こうとしている。色づいていい感じの蔦紅葉だが、、、。(2022年秋詠)