田圃と河原の間にある小高い堤防を散歩していると目の前を燕が横切っていきます。田圃の方から河原へ、あるいは河原の方から田圃へ、羽ばたいて一旦高度を上げ、目の前を過ぎると滑空に移ります。滑るように下って行きます。何んとも気持ちよさそうに、、、。(2020年春詠)
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つばくらや屋根の重なる坂の街
少し見る位置が高くなるだけで普段とはずいぶん違った風景が見えるものですね。掲句は津山城東の千光寺の山門での句です。倉敷の阿智神社から眺めた屋根の風景も好きですが、それとは少し違った雰囲気です、、、。(2014年春詠)
つばくらや窓広々と外厠
厠の話で恐縮です。まだ新しい某施設に併設されたトイレ、窓に向かって並んだ男性用の上部が一面のガラス張りでした。燕の舞う青空を見ながらのひと時、男冥利につきるなあ、、、。(2013年春詠)
つばくらの風の速さと思ひけり
吹く風と、その風に乗って目の前を過ぎていく燕、その一体感、何とも気持ちのよさそうなこと、人間には真似が出来ない、、、。(2013年春詠)
つばくらや軒端まで積む肥袋
田圃の中の道を徒歩通勤していましたが、純粋な農家はほとんど無く、数少ない農家らしい造りの家でした。納屋の軒下には肥料(と思われる)ビニールの袋が積み上げられ、表戸を開けた納屋の薄暗がりには絶えず燕が出入りしているのです、、、。時季的にはもう少し後の句ですが、初燕を見て思い出したので書きました。(2002年春詠)