この地に住み着いた頃にはすでに空家だったから、かれこれ三十年以上は目にしてきたことになります。古い農家の大きなお屋敷です。とうとうその家の解体が始まり、なんだか寂しいような気がしていましたが、終わってみると残された大きな立木や広くなった跡地にに燦燦と日差が溢れて、、、。(2017年冬詠)
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川凍る流れの形そのままに
去年は寒かったなあ、川まで凍っていたのだから。今年は寒いと言っても暖冬、何とかこの状態が続いてくれますように、、、。(2017年冬詠)
たつぷりと雪ありほのと明るき夜
あればあったで面倒な事もありますが、なければ恋しくなるのが雪、、、。(2017年冬詠)
冬耕のもう起きだしてゐる大地
と思っていたら(昨日の冬田の景)もう新しく耕されている田圃を見つけた。新鮮なような、懐かしいような土の匂い。春は近いぞ、と思う、、、。(2017年冬詠)
冬ざれや烏跳ねつつ次の田へ
荒涼とした冬田。人影は無い。動くものと言えばカラスのみ、、、。(2017年冬詠)
雪降るや電車に二つ前照灯
昨日の朝はみぞれ混じりの雪、今シーズン初の雪景色となりました。それもこの時期としては珍しく水分の多いしっとりとした雪景色、その分すぐに消えてしまいましたが、、、。(2017年冬詠)
ゆつくりと風をあやつり冬鳶
冬には良い上昇気流が出来るのでしょうね。天気の良い空に風を楽しんでいるような鳶の姿が見られます。高く、高く、高く、、、。(2017年冬詠)
寒の川老婆こつそりごみ捨つる
もう何年も前から気付いていたのですが、毎朝大師堂にお参りをして、その足ですぐ傍を流れる用水路に持参したゴミを捨てて帰るお婆さんがいます。年齢は秋の季語になりますがまさに生身魂、風が吹けば飛びそうな風体のお婆さんです。何の意味があるのか、年寄で量もわずかなので見て見ぬふりをしていますが、、、。(2017年冬詠)
鐘氷る三鬼記せし城跡の
「鐘氷る」とは万物が氷りつきそうな冬の日の大鐘の響をいうそうです。面白い季語があるものですね。西東三鬼が子供の頃を書いた随筆にお城山の鐘が出てきますが、掲句はその鐘です、、、。(2017年冬詠)
葉の緑実の赤極み寒の入
今日は小寒、いよいよ寒くなりますね。掲句は昨年の庭の万両です。今年は万両に限らず赤い実が綺麗な木が多いように思います、、、。(2017年冬詠)