幹枯れて我が物顔に梅雨茸

四五年前から枯れ始めた栗の木に全く芽が出なくなったのは昨年の春。そして昨年の梅雨時、ふと見たその栗の木の幹の根元あたりに毒々しい赤い色の大きな茸がずらりと。栗の木の死を実感した瞬間でした、、、。(2022年夏詠)

路地今も紫陽花の咲き猫の声

徒歩通勤をしていた頃の道が懐かしくて歩いてみた。かつては田圃に沿った開放的な道だったがやたらと家やマンションが増え、歩きにくい道になっていた。そんな通勤路の最後にある国道に抜ける短い路地、そこだけが昔と変わらぬ形で残っていた。家と家の間に人一人通れるだけの幅の路地、路地に面して右側の家の台所の出窓と勝手口、通るとよく生活の音や猫の声が聞こえたものだった。路地の手前の小さな植え込みには紫陽花、、、。(2022年夏詠)

げぢげぢの足ごと逃がす勝手口

なぜか台所の流しの中にゲジゲジが。足が取れないように気を付けながら両手ですっぽりと包みこんで勝手口からポイ。上手く逃がしたと思うけれど、足の数本については何とも言えない、、、。(2022年夏詠)