段雷の音に始まる夏祭

コロナ以来か、昼花火の乾いた音を聞かなくなった。以前は何かイベントがあると朝から鳴る花火の音に、今日はどこそこの祭かと思い出したものだが、コロナ以来祭さえも無くなってしまったようだ。掲句はその花火の音を思い出して詠んだ昨年の句。今年はコロナも五類へ移行したことだし、そろそろ聞こえるかな、、、。(2022年夏詠)

明易の犬にひかれて行く老爺

掲句は昨年、元気な柴犬に引かれて行く老爺。先日散歩の途中で、SUVを止めて遊ばせた黒ラブを手入れしている女性に出会いました。ちょうど亡くなった愛犬もみじと同じぐらいの大きさ、懐かしくてつい声を掛けて触らせてもらいました。人懐っこさも同じくらい、久しぶりの感触でうれしいひと時でした。また出会いたいのですが、車は他県ナンバー、それも関東、でした、、、。(2022年夏詠)

出来立てのまだ濁りゐる代田かな

水が澄んで田植を待つ朝の代田も好きですが、代掻きが終わったばかりの濁った代田も味があって良いものです。この辺りも今日あたりからそろそろ田植、日々代田が広がっています、、、。(2022年夏詠)

雨上がり醤の蔵の若葉冷

勝山にかつての醤蔵を使った文化施設があります。そこで写真展をするのでと誘われて見に行った昨年の句。雨上がりと土壁が相俟って蔵の中は寒いぐらいでした。写真は戦前から戦後にかけて撮影されたマニアだった方の残された白黒写真でしたが、どれもシャッターを押された瞬間が感じられる良い作品ばかりでした、、、。(2022年夏詠)