紫陽花のその下抜ける猫の道

生垣のようになった紫陽花の下から、ひょっこりと見覚えのある猫の顔。紫陽花があるのは近所の〇〇さんの家、猫はその近所の数軒離れた△△さんの家の猫。こんな所に抜け道があったのか、、、。(2023年夏詠)

しつかりと壁を捉へて蔦茂る

ちょっと風情の無い話になりますが、普通の民家の壁に蔦を這わせると壁がダメになってしまいます。楽しんでいるうちは良いのですが、飽きてしまって剥がそうとすると壁も一緒に、なんて事になってしまいます。掲句は他所の蔦、私は十分に楽しみましたが、、、。(2023年夏詠)

万緑のカルスト台地峡深し

吉備高原のカルスト台地が削られ、その底を流れるのが高梁川だろう。その台地の上の方にあるのが満奇洞、削られた底にあるのが井倉洞と言える。満奇洞からの道は台地の端に来て一気に急坂となる。その坂を下りきると井倉洞の近くに出る。下から上った事は無いがたぶん私の小さな車では無理かも知れない、、、。(2023年夏詠)

夏草や列車軋みて駅に入る

駅から直線距離で1.5kmぐらいだろうか、上り列車はちょうど我が家の辺りからブレーキをかけ始める。徐々に速度を落として、最後にギギッという感じで無人駅に止まる。単線の一両車。夏草の中、、、。(2023年夏詠)