旧暦の七月十五日の月を盆の月と言います。その旧暦七月十五日が今年は今日なのです。面白いですね、旧暦には時々「うるう月」の年があって、それに当たった今年は五月が二回ありました。そのせいで今日が七月十五日、例年よりほぼ一か月遅れ、窓を開け放つとちょっと寒いかも知れませんね、、、。(2016年秋詠)
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早稲の田の刈られて朝の風匂ふ
早いですね。ほんの二三本の苗が、田水の中で頼りなさそうにしていたのは、わずか四か月ほど前の事ですよ、、、。(2016年秋詠)
ぽつちやりと少女は秋を満喫す
朝の散歩で見かけるようになったランニング中の女性、ちょっとぽっちゃり形で走って来る姿を前から見るとユタユタユタと言った感じ。ところが先日逆方向から追い越して行った姿を見ると、意外や意外、腰がブレず走る姿が安定している。長続きしそうに無いと思っていた評価を変えて、うろうろしているうちにまた追い越されてしまった。二周目、、、。掲句の少女とは別人です、、、。(2016年秋詠)
台風来声あるものは地に潜み
今度の台風はどうやら西日本ではなさそうで安心しています。どこであろうと被害が無い事を願わなければいけないのですが、台風に関しては他所へ行って欲しい、他所へ行けば、行って良かったと、つい思ってしまうのです、、、。(2016年秋詠)
曇天に秋燕高く影となる
燕が集まっては高く舞っています。そろそろ南へ帰る季節になって来たのでしょう。翼の動きもなんだか旅に備えての準備のように見えます、、、。(2016年秋詠)
犬のポーズ猫のポーズや秋うらら
八月も終わりです、、、。(2011年秋詠)
校庭に声の戻りて秋暑し
掲句は2011年の9月です。昨日の朝、近所の小学一年生の女の子が大きなランドセルを背負って登校していました。少し大きくなったかな、「行ってきます!」と一学期と違って声が大きい。「おはよう、言ってらっしゃい」と声をかけて、ふと考えるとまだ八月です。昔なら必死で宿題をしていた頃。ちょっと可哀そうかな、、、。(2011年秋詠)
山一つ越えて故郷空は秋
中学時代の同窓会で田舎まで帰って来た。国道313号線を走り、田和山トンネルを抜けると道は一気に谷底へと下って行く。石灰岩地帯の切り立った山が両側から迫って来る。この山を見ると故郷が近い事を実感する。やがて道は開け、高梁の街に出る。空は高く、明らかに秋の様相を見せている。山が豊かで、水が豊かで、人心も豊かで、故郷は有難い、、、。(2016年秋詠)
雨止んでまた鳴り始む威銃
威銃が鳴るのは散歩コースから吉井川を挟んだ南側の山際に広がる田圃。山に近く日暮も早いからだろう、北側のこちらよりも田植も稲刈も少し早い。威銃は八月に入ると鳴り初め、約一か月続く。きちんとタイマーで管理されているらしく、朝は七時に鳴り始め、間隔は十五分、夕方六時には鳴りやむ。雨の日に聞こえなかったのは単なるこちらの勘違いだったのかも知れないが、雨が上がって散歩に出ると、待っていましたとばかりに、ズドーン、、、。(2016年夏詠)
一雨に色増す葛の花明かり
雨後の散歩、気づけば葛の花が咲き始めている。河原でも土手でも圧倒的な勢力を誇る葛、匂いにもまた圧倒されてしまう、、、。(2016年秋詠)