大雨で増水した濁流の川面すれすれに沢山の燕が滑空する。人間の眼には見えないけれど、たぶん餌になる虫が多いのだろうと推測できる、、、。(2021年秋詠)
タグ: 秋燕
たそがれの空に秋燕見失ふ
もう帰ってしまったとばかり思っていた燕を見つけた。夕暮れの空の高みに数羽が点のように舞っている。目を離した瞬間に見失うほど高い位置、、、。(2018年秋詠)
峡の空高し秋燕点となり
ちょっと早いですが暑い句より良いかと思ってこの句を。今日は田舎へ墓掃除に行ってきます。両側から山が迫る、私の原点の田舎です、、、。(2018年秋詠)
秋燕の残る一羽に空広く
掲句は昨年の秋燕、今年は七月の豪雨後に急に燕の姿を見なくなった。さっさと帰ってしまったのか、豪雨の無いところへ引っ越して行ったのか、見かけるのはごく少数。例年ならまだ多くの燕が見られる頃です、、、。(2017年秋詠)
曇天に秋燕高く影となる
燕が集まっては高く舞っています。そろそろ南へ帰る季節になって来たのでしょう。翼の動きもなんだか旅に備えての準備のように見えます、、、。(2016年秋詠)
秋燕の親子揃へば姦しき
そろそろ南へ渡る相談でしょうか、今朝も電線にならんでしきりにおしゃべりをしていました。巣立ってしまえば皆同じ、どれが親やら子やらわかりませんが、みんな楽しそうです、、、。(2015年秋詠)
秋燕の集ひて旅へ羽慣らす
今年の天候はどうもおかしい。これでは燕も旅立ちを迷うのではないかと思っていたが、気づけば燕もずいぶん数が減っている。先日も朝の電線に多くの燕が止まり、周囲をこれまた多くの燕が舞っている姿があった。その電線を前夜の宿にした旅の途中の一団なのだろう。長旅ご苦労様、無事に南の島に着くことを祈るのみ、、、。(2014年秋詠)
集まれば旅の話か秋つばめ
(2011年秋詠)
秋燕や峠に小さき道の駅
何度か書いた国道429号線の峠にある道の駅「かもがわ円城」です。今はあちこちに道の駅がありますが、岡山県下で最初に出来た道の駅がこの「かもがわ円城」とのことです。山の中の小さな道の駅です、、、。(2012年秋詠)
秋燕空高ければ高く飛ぶ
現住所に住み始めた頃のこと、道路を隔てて大きなとうもろこし畑がありました。酪農の飼料用のとうもろこしです。夕方会社から帰ると、その畑に何百という燕が集まって騒いでいるのです。それぞれのとうもろこしの木に、撓むほどの燕が止まっています。まだ空を舞っている集団もあります。おしゃべりと羽音と、その日は夜遅くまで賑やかでした。それが翌朝には跡形も無く(とうもろこしには白い糞の跡がありましたが)居なくなっているのです。南に帰る燕のお宿だったのですね。そんな日が二三日続きました、、、。二年ほどして酪農を辞められて、とうもろこし畑は無くなってしまいました。燕のお宿も変わったのでしょう、同じような光景を見ることはなくなりました、、、。(1999年秋詠)