虫の音を聞いていて猫が居た昔を思い出した時の句。スイッチョの足なんて可愛いもので、ネズミの尻尾やらスズメの羽やら、ずいぶん片付けてやった、女房には内緒で、、、。(2014年秋詠)
タグ: 秋
日翳れば夕風やさし稲の花
稲の花は県北ではもう少し前の景になります。日が出れば夏、日が翳れば秋の夕景となる頃、散歩に出る時刻の選択が難しいのです。曇っているからと油断して早めに出ると、とたんに太陽が顔を出してひどい眼に遭ったりします。アスファルトも犬にはまだ熱いだろうとの親心もあります。が、犬のほうはそんな事はお構いなしで、「いつでも行けるよ」という顔をして、こちらを見続けています。そうは行かない、、、。(2014年秋詠)
鯖雲のちやうどお腹の下あたり
鯖雲と鰯雲の違いはどのあたりだろうか?なんてことを考えたりします。鱗のように見えながら全体がくっつぎ気味だと鯖雲で、離れ気味で細長い形状の場合は鰯雲だろうか?なんて、、、。とりあえず掲句、全体がくっつき気味で、鱗の無い部分もあったりして、まるで東西に伸びた大きな魚の下という感じだった、、、。(2014年秋詠)
ただじつと待つ他はなし台風裡
掲句は昨年の台風、今年も多いですね、、、。(2014年秋詠)
遠き山近くに映し秋の川
久しぶりに老釣師を見かけた。それも、田圃の脇を流れる小さな水路をねらっているところだった。「こんな所で釣れるんですか?」と聞くと「ああ、釣れるよ」と、傍らの青いバケツを指差す。覗くと5Cmぐらいの魚が二匹、「ホントだ」「白ハエじゃあのうて、タナゴじゃけどなあ」と言いながら、餌に手を伸ばす。その先を見ると、「んっ?餌はスパゲッティですか?」「ああ、ミミズでもええんじゃけどなあ、今日はちょっとこれでやってみよう思うて」「へえ~っ!いろいろ工夫されるんですね」「、、、。最近眼が見えんようになって」と、スパゲッティの餌付けに時間がかかっている。やっと出来たところで、「竿もホントはこんな長いのは要らんのじゃがなあ」と言いながら竿を伸ばす。確かに、3mほどの竿は水路には立派すぎる、、、。(2013年秋詠)
早々と仕舞ふうどん屋秋黴雨
「アレ、こんな時間に、もう、、、?」と思った、街の小さなうどん屋の主人らしい鉢巻姿の男が、空を見上げながら暖簾を下ろすのを見た時の句です、、、。(2014年秋詠)
豊漁のいわし雲ある峡の空
山あいにある実家では空も狭い。その空全部が鰯雲で覆われることがあります。その雲がゆっくりゆっくり動いていく様子は圧巻です。雲が生きていて、その下に小さな小さな自分がいる。そんな感じです、、、。(2014年秋詠)
要らぬこと言うてしまうて韮の花
ついつい、、、。反省、反省、、、。当分おとなしく、、、。と思った時の句、、、。(2014年夏詠)
名前なき地蔵に乾く盆の花
岡山の西川緑道公園に小さなお地蔵さんがあります。説明書きが無いので、どんな由来のお地蔵さんか分かりませんが、いつも飲み物やお花が供えてあります。昨年の八月の句会、通りかかるとお花が萎れていました。お世話される方がお盆休みだったのかも知れませんね。で、こんな句になりましたが、今年のお盆には掃除も行き届き、鮮やかな色のお花が溢れていました。その時の句は来年の今頃に、、、。(2014年秋詠)
光年の距離を一夜に星の恋
七夕は過ぎちゃいましたが、夜空の綺麗な季節です。月齢も若いし、ペルセウス座流星群も見頃ではないでしょうか。掲句、そんな夜空を眺めていてふと気づいた時の句です。天体を立体的に捉えてみましたが、どうでしょうか、、、?(2014年秋詠)