立秋、朝早く散歩に出ると青々と成長した稲の、それぞれの葉先に露の玉が光っている。早稲の田にはすでに稲穂も見えている、、、。(2013年夏詠)
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稲育つ校長室の水盤に
木造校舎の正面玄関を入ると、右に校長室、左に職員室があった。職員室には度々入ったが、校長室には六年間の小学校生活を通じてほとんど入った記憶がない。ただ黒光りのする広い部屋で、机の上の四角形の水盤に、整然と稲が育っていたことだけを覚えている。稲は田圃で育つものと思っていたので印象深かったのだろう。校長先生はある日の朝礼で、人間には「馬鹿馬鹿」(馬鹿そうに見えて馬鹿)「馬鹿利口」(馬鹿そうに見えて利口)「利口馬鹿」(利口そうに見えて馬鹿)「利口利口」(利口そうに見えて利口)の四種類がある。一番悪いのは「利口馬鹿」だ、「利口馬鹿」にはなるな、と言われた。(2009年秋詠)