通勤途中に使われなくなった火の見櫓がある。かつては消防の器庫でもあったのだろう、錆びた鉄骨製の火の見櫓である。一番上に風見鶏がついているが、これも錆び付いているのか動いている気配はない。残業を終え、何となく怪しい雲行きを感じながら帰っていると激しい稲妻、見上げた夜の空に、くっきりとその風見鶏が浮かんだ。ちょうど稲妻に向かって鳴いているような形で、凛々しく見えた、、、。(1999年秋詠)
渡辺牛二の俳句ワールド
通勤途中に使われなくなった火の見櫓がある。かつては消防の器庫でもあったのだろう、錆びた鉄骨製の火の見櫓である。一番上に風見鶏がついているが、これも錆び付いているのか動いている気配はない。残業を終え、何となく怪しい雲行きを感じながら帰っていると激しい稲妻、見上げた夜の空に、くっきりとその風見鶏が浮かんだ。ちょうど稲妻に向かって鳴いているような形で、凛々しく見えた、、、。(1999年秋詠)