穴まどひ逃げるが勝と隠れけり

軽トラックがやっと通れる棚田の道では、田の畦に上がって車をよけます。そこに居たのは先客の蛇でした。基本的には人間と争う気はありませんが、割り込んで来たのが好奇心旺盛な俳人とあってはなおさらです。こそこそと石垣の隙間に隠れてしまいました。案の定句友はその辺りを熱心に覗き込んでいましたが、時すでに遅く影も形もありませんでした。畦の草むらでゆっくり日を浴びて居たかったであろう蛇には悪いことをしましたね。<その5>(2009年秋詠)