近くの神社の藤の花。花の時季になるとその存在感を示す。田圃一枚離れた道から見ると、高い木々の一番上のあたりが藤色に染まって見える。近寄って見ても芯になっている木が分からない、、、。(2020年春詠)
翻るお腹大きな朝つばめ
眼の前でくるりと向きを変えて飛んで行った燕、卵が入っているのだろう白いお腹が明らかに大きい。そう思って見ると飛ぶ姿に幸せが溢れている、、、。(2020年春詠)
葉隠に静かに雑に烏の巣
とうとう葉桜になったなあと思いながら見上げた桜の木の上に見つけたカラスの巣、太目の枯枝が乱暴に組んである。これが昨年見つけたカラスの巣。今年はその桜の木から少し離れたところにある枯れかかった大きな栗の木の上に見つけた。その巣についてはまた来年、、、。(2020年春詠)
先生のつましき暮らし豆御飯
ちょっと昔を思い出して、、、。(2020年春詠)
穴出でてすぐに輪禍の蛇となり
せっかく寒い冬を越して出て来たと思ったら、、、。一年を通すと輪禍の蛇はよく見るのですが、この時季に見るとよけいに憐れに感じます、、、。(2020年春詠)
きんぽうげ毒あるものの美しく
上を向いて桜ばかり見て歩いていたらいつの間にかキンポウゲが咲いています。この黄色はきれいです。子供の頃から毒があると教えられて離れて見ていた花です。ふと本当だったのかと、改めてネットで調べてみましたら本当でした。素直な子で良かった、、、。(2020年春詠)
晩春の鐘一つ鳴るぼたん寺
桜が終わると道端に「ぼたん祭り」の幟が立ちます。近くのお寺のぼたん祭りです。コロナ禍の今はどうか分かりませんが、それ以前は観光バスが何台も来て賑やかでした。そのお寺のほうからゴ~ンと一つ、、、。(2020年春詠)
ポピー咲く道の舗装の隙間より
掲句は道端の舗装の破れ目ですが、河原の数年前の水害で砂地となった一角にポピーが咲いています。水害の翌年一つだけ見つけて、こんな所にと思ったのですが、今年はずいぶん増えました。まだ他の雑草が生えてこないようで、まるで植えたようにきれいです、、、。(2020年春詠)
靴触れて蒲公英の旅始まりぬ
蹴ったわけではありません。ほんの少し靴先が触れただけ。待ってましたとばかり風に乗って旅立ちましたよ、、、。(2020年春詠)
雄猫に見ゆる疲れや暮の春
我が家の猫、この時季は寝るばっかりしています。もっとも昼間寝ているという事は夜に出掛けている、という事かも知れませんが、、、。(2020年春詠)