掲句は昨年の大霜。今年も暖冬とは言え霜の朝は時々。時には湯気の立つ光景も、、、。(2018年冬詠)
飽食の鳶や鴉や寒施行
昔は食べ物が少なかっただろうし、大切にしたから、寒の時季にその中から野の動物たちに分け与える事にも大きな意味があったのでしょうね、、、。(2018年冬詠)
水脈長く曳き待春の川の鳥
いよいよ待春の季節になって来ましたね。川の鳥たちも何だか余裕が出て来たみたいで、水の増えた川面を広々と使って泳いでいます。まだ北へ帰るつもりはなさそうですね、、、。(2018年冬詠)
家一戸小さきとんどの火を立つる
神社に持って行っても良いのですが、我が家の注連飾りは一つだけ、ついつい自宅での小さなとんどとなります。そう思って散歩の途中で注意して見てみると、あっちでも一軒、こっちでも一軒、、、。(2019年新年詠)
きらめける昨夜の雨粒冬木の芽
大きな芽、小さな芽、春に向けて少しずつ育っています。雨上がりの朝を歩くとその芽が雨粒を溜めて輝いて見えます。命の輝きです、、、。(2018年冬詠)
ゆでたてのまだ手に熱き寒卵
これが厄介、やっと剥けたと思ったら、今度は口の中でアッチッチ、、、。(2018年冬詠)
待春や犬の抜毛の増えて来し
久し振りに犬の句です。犬も犬種によって抜毛にずいぶん差があります。プードルは全くと言っていいほど抜毛がありません。逆にラブラドールは抜毛の多い犬種です。普段でも多いのですが、年二回、夏毛と冬毛に生え変わる季節には大変でした。ブラッシングをした毛でクッションでも作ろうかとよく思ったものです、、、。(2018年冬詠)
食道を抜け胃の腑へと寒の水
一年の内で一番水が美味しいのは寒の間だろうと思っています。朝一番、起きがけに飲む寒の水、喉を抜け食道を通り、じわりと胃に染み渡って行く。その感覚がたまらない、、、。(2018年冬詠)
大胆にふくら雀となりにけり
出窓のむこうが生垣になっていて、そこに雀がやって来ます。たいていはこちらに気づくと逃げて行きますが、時にはこんな雀も。よく膨らんで、大きさと言い、図々しさと言い、きっと雄のボス的な存在の雀なんでしょうね、、、。(2018年冬詠)
一夜にて枝に雪咲く並木道
もしかして今年はこのまま雪の降らない冬で終わるのではないだろうかと心配しています。北の山では暖かくなると冬に積もった雪が解けて川に水を供給します。だから雪が降らないと夏の水不足が心配されます。掲句は昨年の雪の朝、近くの土手の桜並木です、、、。(2018年冬詠)