昨年の菩提寺での母の十三回忌、開け放たれた本堂に上がるとストーブは点いているもののちょっと寒い。閉めようとすると住職が「あ、コロナですから開けといてくださいね。私が大きな声を出しますし、念のために」とおっしゃる。確かに声は大きい、、、。(2023年春詠)
春夕焼自転車で来る刃物砥
遠い昔を思い出しての句です。自転車で、なぜか烏をお供に連れて、、、。(2023年春詠)
花を背に花のありけり園の春
通りがかりのこども園、何本もあるのです。一本桜も良いけれど、、、。(2023年春詠)
雀の子三羽が並び道渡る
近くのお家のそばの坂道の所、屋根から零れるように降りてきた雀の子、、、。(2023年春詠)
花追ふて我も一人のパラノイア
私が行く所と言えば限られた数か所に過ぎませんが、それでも毎年何か所かを同じように見に行きます。まるで偏執狂のように、、、。(2023年春詠)
AIの嘘もあるらし万愚節
もう四月、万愚節、四月馬鹿。AIも一年でずいぶん変わりましたね。嘘が蔓延するようなAIになって欲しくはありませんね、、、。(2023年春詠)
二階より声かけらるる花の昼
待ちかねた桜のシーズンになりました。道端でどう句にしようかと思考に没頭しているといきなり上のほうから声が。顔を上げると二階の窓からこちらを見て笑っている知り合いの顔。たぶん二階から見ると俳諧ではなく徘徊に見えたのだろう、、、。(2023年春詠)
岸遠く二羽が睦みて春の鴨
数が減った川の鴨、遠く離れた向こう岸の辺りに二羽、静かに浮いている。たぶんここで来シーズンまで暮らすと決めた鴨なのだろう、、、。(2023年春詠)
花なずな土塊落としトラクター
近くの田圃が一面の花薺、そろそろ田圃のシーズンと思っていたら昨日の朝から賑やかにトラクターの音が聞こえ始めました、、、。(2023年春詠)
初蝶の木の葉のごとく降り来たる
昨日久しぶりに晴れた朝の散歩で初蝶に出会いました。掲句は昨年、歩いているといきなり空から、まるで木の葉が舞うように、、、。(2023年春詠)