冬ぬくし街に北京語広東語

私には北京語と広東語の違いなんて分かりませんが、中国で使われるのが北京語で香港で使われるのが広東語だそうです。掲句、倉敷美観地区での句です。海外の方がずいぶん増えました。見た目では日本人も中国人も香港人も分かりませんね。すらりとした和服美人、話し声を聞くと中国の人、なんてことも、、、。(2016年冬詠)

ベルギーの和服の少女冬ぬくし

児島虎次郎の絵に「和服を着たベルギーの少女」があります。大原美術館の入口に展示されていますが、虎次郎には同じような和服を着た外国の少女の絵があるのか、子供の頃から田舎の美術館で何度も見た記憶があります。あるいは誰かの模写された物だったのかも知れません。誰もいない美術館の中を走り回っていた頃です。さて掲句、倉敷の商店街に子供たちの描いた大原美術館の名画が展示されていた時の句です。人気があるらしく、同じベルギーの少女を描いたものがあちこちにありました。児島虎次郎と同郷であること、それだけの事なのですが、この絵を見るとうれしくなるのです、、、。(2016年冬詠)

冬ぬくしSNSは「ちやん」付けで

友人とSNSで会話をするようになって何年になるだろう?一人、二人と同級生の参加者が増えて、何だか同窓会のようで楽しい。俳号を使うようになった頃は名乗るのも恥ずかしかったが、今では慣れてしまって本名で呼ばれるほうがかえって恥ずかしい気がする。ましてSNSでこの歳になって「ちゃん」付けでの書き込みがあったりするとなんだかくすぐったくなってしまう、、、。(2016年冬詠)

冬ぬくし地蔵二体が寄り添ふて

山の中の無住寺、本当は寒い日だったのです。それがふっと日が差してきて、その中にお地蔵さんが二体寄り添うように立っているのを見ると、何だか急に暖かい心持ちになってこんな句に、、、。(2016年冬詠)

冬ぬくし身ぶりで電話する女

寒い日が続いていますのでこんな句を、、、。携帯電話の発達に伴って増えた光景です。あまり人のことは言えないかも知れません。人ごみの中でもついつい大きな声になってしまうことがあります、、、。(2015年冬詠)

冬ぬくし両手にあまる園児つれ

寒い句が続いたので今日は暖かい句を、、、。平日に吟行に行くと保母さんに連れられた園児たちをよく見かけます。保母さんって大変だなあと思いながらいつも眺めるのですが、最近はリヤカーを改良したような車に大勢の園児を乗せて移動するのも見かけます。あれは良いですね。子供は乗り物が好きですし、何より保母さんの目が届きやすいですからね、、、。(2014年冬詠)

冬ぬくし寄り添ふやうに犬のゐて

なんだか暖かい冬ですね。おかげで犬との散歩では助かっています。何しろリードを持つのにまだ手袋が要らないのですからね。エルニーニョの影響で、今年は暖冬ドカ雪だそうです。とは言うものの、そろそろ冬用のタイヤにしておかないと、油断しているとドカンとやられるのです。掲句は去年、寒い中の暖かい日でした。愛犬もみじは付かず離れず、主人と同じで顎のあたりに白いものが増えたものの付かず離れずの毎日です。昔と比べればおとなしくなりました。今では叱ることもほとんど無くなりました、、、。(2014年冬詠)

母さんと呼ばるる女将冬ぬくし

「室戸」その6 寂れた国道55号線沿いにはほとんど店がなく、やっと見つけた小さな海の見える食堂、何かは食べられるだろうと入ると、片隅に数人の中年の男が話している。どうやら酒が入っているらしい。「「いらっしゃいませ、何にしましょう」と立ってきた女将は、口調は若そうだが見た目は十分に年を召している。目の前の黒板に日替わり定食の文字が見えたので、迷わずそれを頼み、ストーブがあったので、その傍の席に座った。ストーブの上には小ぶりのサツマイモが美味しそうに焼けていた。厨房で油の音をさせ定食用に鯵のフライを揚げている女将を、男たちは「母さん」「母さん」と呼び、女将は器用に男たちの話に相槌を打つのだった、、、。(2011年冬詠)

空すべる模型飛行機冬ぬくし

散歩コースにある河川敷のグランドは電線がないので模型飛行機を飛ばすにはちょうど良いようだ。昨年の冬に見た掲句の模型飛行機はエンジン付のグライダーで、静かに晴れた冬空を滑っていた。天気が良かったので犬と一緒にしばらく見ていたら降りてきた。主翼が2メートルほどもある大きな飛行機で、操縦席にはちゃんと小さなパイロットの人形が座っていた。操縦していた30代後半と思える男性に聞くと、燃料はバッテリーで1回の充電で40分ぐらいは飛べるらしい。道理で静かなはずだ。「今日は暖かくていいね」と言うと「いやあ、じっとして操縦していると結構寒くて」と言いながらも、顔は十分満足そうだった、、、。(2013年冬詠)