近所の庭師さんの焚火、庭師さんだから燃やすのは切ったばかりのまだ青い小枝や木、煙も青い。さらに量も多い。十一月の晴れた空へ勢いよく上る煙は遠くからでも良く見える、、、。(2015年冬詠)
投稿者: 牛二
反したる土より冬の匂かな
今日は小雪です。ついこの間収穫が終わったばかりの田圃がもう反され始めています。青々と伸びて穂まで出ている稲孫も丸ごと反され新しい土の匂いがしてきます。冬を感じる匂いです、、、。(2015年冬詠)
茶の花や空家静かに崩れゆき
かつては手入れの行き届いた生垣だったのだろう。その生垣の中に数本の茶の木が混じっている。普段は奔放に伸びた周囲の植物の中で全く目立たない存在だが、この季節になると白いおとなしい花をつけ、その花によって茶の木があった事を思い出すのだった。空家のある場所は滅多に通らないが、通るたびに少しずつ崩れていき、今年はとうとう倒壊してしまった、、、。(2015年冬詠)
冬ぬくし尻に日差のあたる椅子
座る所も背もたれもパイプに板を渡しただけの安物のベンチ。座るとちょうど背もたれの下の隙間からお尻に日差があたる。これが何んとも気持ちよかった。某公園で、、、。(2015年冬詠)
眠り行く落葉大地の色となり
夕方見ると綺麗だった落葉が翌朝掃こうとする頃にはもう色が変化している。落ちた瞬間から湿度や温度の関係で変化が進んで行くのだろうか。あるいは土中のバクテリアの影響なのかも知れない、二三日忘れた所を掃くと下のほうは大地の色に近くなっている、、、。(2015年冬詠)
腹大き猫の出でくる留守の宮
本殿の下から腹の大きな猫が出て来た。ちょっと時期が違うような。いやいや飽食の時代だから単に太っているだけの猫なのかも知れない。とにかく貫禄のある猫だった、、、。(2015年冬詠)
白菊や黄菊や朝の路地ぬける
隣家の軒下に菊が数鉢並んでいます。今年は作られていないのかと思っていたのですが、ここに来て中程度の大きさのそろった白と黄の数鉢が並んでいます。作者のきちんとした性格が表われているような菊です。掲句は昔、徒歩通勤途中の路地に面したお宅の横を抜ける時の句です。こちらは寄せ植えの小さな白と黄、赤ら顔のおじいさんの花畑、、、。(2002年秋詠)
あぶく出る鯉の欠伸か小六月
小六月とはよく言ったものですね。11月の日差しは気持ち良いです。きっと水の中でも気持ち良いのだろうと思った散歩途中の句です、、、。(2015年冬詠)
散歩にもハーフとショート時雨くる
ぐるりと回って戻ってくる同じ一つの散歩コースなのですが、いくつかの脇道があって場合によって選ぶようにしています。最短は500mほどのショートコース、家を出たものの雨が降り出し傘が無い場合はこのコースです。半ば走って回ります。1.5kmほどのハーフコース、空を見ながら雨がそろそろ来そうだと思う場合、あるいは降り出して傘がある場合のコースです。フルコースは3.5kmほどでしょうか、これが一番多い普通のコースです。問題はこの季節、降らないと思ってこのコースを選んだのに、時雨は突然に、、、。(2015年冬詠)
高々と皇帝ダリア冬の月
旧暦10月15日、満月です。掲句は昨年、高々と咲いた皇帝ダリアに冴え冴えとした冬の月がかかっています。岡山県北の冬は早く、自然のままで皇帝ダリアが咲くことは少ないのです。咲いても寒さに当たるとすぐに枯れてしまいます。昨年はまだ暖かかったのでしょう、こんな句を残していました、、、。(2015年冬詠)