霧の中朝のサイレン遠く鳴る

今住んでいる所も霧の多いところですが、子供時代を過ごした実家も霧の多いところでした。実家から2kmぐらいの所にある小学校の屋根にサイレンがあり、朝晩に刻を告げていました。掲句は昨年の散歩途中で聞いたサイレンですが、ふと子供の頃に聞いた、今は廃校となったその小学校のサイレンを思い出しました、、、。(2018年秋詠)

休田となりし一枚虫すだく

一週間ほど前から近所に猪が出たと騒がしい。野次馬根性でいつもと違う方向へ散歩に行ってみた。掲句も昨年のそんないつもと違う道での句だが、今年も全く思っていなかった我が家の近くにそんな田を見つけてしまった。おまけに、我が家の近くまで迫っている葛の茂みも。肝心の猪の形跡は残念ながら見つからず、私の野次馬根性は不完全燃焼、、、。(2018年秋詠)

秋うらら猫の繰り出す猫パンチ

我が家の今年の居候猫はちょっと手ごわい。油断をすると痛い目に遭う。まあ、土手の草むらで野生で育った猫だからこれぐらいでないと、とは思うし、それが面白くてちょっかいを出すのだが、、、。(2018年秋詠)

稲刈つて轍の深き汁田かな

刈田となった田圃にコンバインの深い轍。農家の人は大変だ。刈りたい日に合わせて水を落し、それでも雨が降りそうなら予定より早く刈らなければならない。たぶんそんな作業の後だったのだろう、、、。(2018年秋詠)