鳥葬の亀のぬけがら晩夏光

産卵の為に亀が川土手を上り道路に出て来る。運が良ければ道路を渡り切れるが元々動きが遅い亀、車の犠牲になるものも多い。食物連鎖でその轢死の亀を烏がつつく。最終的に残るのは亀の抜け殻、すなわち割れた甲羅だけ、、、。(2020年夏詠)

一夜にて蜘蛛の王国我が庭に

寝ぼけ眼で新聞を取りに出ようものなら忽ち顔の辺りが蜘蛛の巣に覆われる。取ろうとするが採り切れない時の気分の悪さ、最低。そうならないように最近は新聞受けまで両手を顔の前に上げて歩いて行く、、、。(2020年夏詠)

蝮の子憐れ死しても覗かるる

蝮がいる所に住んで、蛇を見るとつい蝮かどうかを確かめる癖がついています。たとえそれが死んだ蛇であろうと、大小にかかわらず、その模様を確かめます。蝮でなければ安心するだけですが、蝮の場合は情報を共有します。その為にも恐る恐る覗き込みます。一匹いれば必ず周囲に何匹かいると言われているからです。今年もすでに数匹、、、。(2020年夏詠)