田の蝌蚪の浮いて刹那の息を吸ふ

田圃の蛙は田植が終わるとすぐに産卵するのでしょう。孵化するのがちょうど今頃、覗くと小さいオタマジャクシがうじゃうじゃと逃げ惑っています。掲句のオタマジャクシはもう少し後、蛙になる寸前の肺呼吸を始めた頃のオタマジャクシ、農薬のせいでしょうかその頃には数もずいぶん減っています、、、。(2020年夏詠)

ひたひたと雨期の足音栗の花

栗の花が咲き始めました。で、昨年の栗の花の句を探すと、あれ~?去年は梅雨入りより栗の花のほうが早かったのか?念のため調べて見ると昨年の中国地方の梅雨入りは6月10日すなわち今日でした。改めて今年の梅雨入りの早さを感じてしまいました、、、。(2020年夏詠)

人住みし跡か泰山木の花

昨日に続き429号線沿いの風景。山裾の半ば林と化した所に雑木に混じって白い花を付けた泰山木が見える。何でこんな所に?と思いその周囲を眺めると、もとは庭木と思える姿の木が何本か混じっている。どうやら完全に消滅した民家の跡らしかった、、、。(2020年夏詠)

青梅雨や傾き増せる廃家屋

句会へと429号線を走る途中にある山中の民家、最初は単なる古い民家と思えたが、どうやら廃屋らしいと気づいてから、気になって通る度に見るようになった。もう何年にもなる。少しずつ廃屋らしさを増し、去年あたりからは屋根に傾きまで見えるようになった、、、。(2020年夏詠)