「何やってるんだよ、私の縄張で」と言わんばかりにやって来て、、、。(2019年春詠)
月: 2020年4月
晩春やダムのゲートの閉じしまま
晩春の日差の中でダムのゲートから吐き出される水の白い輝きが見たくて出掛けたのですが、ゲートは閉ざされたまま、晩春の長閑さだけがあった去年の句です。今日は穀雨、、、。(2019年春詠)
山吹や裏窓越しに鍋薬缶
道路沿いの生垣に山吹が咲いているお家がある。南向きの家の裏側を道路が通っている形になり、生垣の向うに台所の出窓が見える。母娘二人暮らし、窓辺に置かれた鍋や薬缶の影、くもりガラスの向うにその質素な暮らしぶりが見える、、、。(2019年春詠)
まがひ物多し我が家の名草の芽
う~ん、これはどっちだろう?と思って残しておくとたいていは雑草です。せっせと抜いていて、しまった!と思うのが花ですが、後の祭り、、、。(2019年春詠)
晴の日の蝶影となる石の上
気付けばずいぶん日差が強くなっています。ふらふらとやって来た蝶の影が、石の上にくっきりと、蝶に合わせてふらふらと、、、。(2019年春詠)
咲ききつて花に憂ひのなかりけり
去年こんな句を残していました。咲く時は咲く、散る時は散る。これが昔から見て来た桜の美しさだと思うのですが、今年はいつまでもしがみついて少しずつ散って行く桜です。自然まで変わってしまったのかなあと思ってしまいます、、、。(2019年春詠)
高らかに鳥の歌へば春深む
鳥の声は元気そのもの、いよいよ春が深まって来ました、、、。(2019年春詠)
電柱の上より零れ鳥交る
おおらかでよろしい、、、。(2019年春詠)
広すぎる鳥引きし後の山の湖
湖と言うか池と言うか、ただっ広い水面にさざ波が立っている、、、。(2019年春詠)
一人来て一人座りし土手の春
土手の上、河原に下りる石段の端に腰かけて、川に向かって一人、こんな人も、、、。(2019年春詠)