栗は好きですが栗を剥くのは苦手です。掲句はその外、栗の毬です。とある所の栗の木の下に明らかに獣の荒らした跡、散らかって残っているのは栗の毬だけ。人間なら靴で毬を踏み広げて実を取り出しますが、獣はどうやって取り出すのでしょうね、、、。(2022年秋詠)
月: 2023年10月
廃屋の二階窓から蔦紅葉
廃屋と言っても郊外の国道沿いの家並の中の一軒、それほど古いようにも見えないが外壁を蔦が這っている。よく見るとその蔦の出所は二階の窓。ガラス窓の内側にも蔦が見える。その蔦が窓の隅の隙間から出てきて外壁を伝って、もうすぐ屋根に届こうとしている。色づいていい感じの蔦紅葉だが、、、。(2022年秋詠)
鴉二羽夕日に落穂拾ひけり
秋の夕暮、収穫後の田圃に鴉が二羽、たぶん落ちている籾を啄ばんでいるのだと思う、、、。(2022年秋詠)
吊し柿夕日に透ける琥珀色
植えたとも自然に生えてきたとも分からなくなった長年小さな木のままだった柿の木に実が生りだした。それも今年は四個も生って、いち早く色づいている。さてどうしよう。色から見るともう吊るし柿にしても良いほどだが、秋らしい涼しさになってまだ一週間、ちょっと早すぎるような気もする。と悩んでいる今日この頃。掲句は昨年の吊るし柿、、、。(2022年秋詠)
藁ぼつち二つ残して刈田かな
不要な藁は稲刈と同時に裁断してしまう現代の稲作、稲刈後の田圃に二つだけ残されている藁ぼっち、秋の夕暮が余計にさびしい、、、。(2022年秋詠)
十月や石蕗の葉の緑濃く
土手の桜の木の根元に植えられている石蕗、周囲の草が衰えていく中で葉っぱの緑がよく目立つ。そろそろ莟が出来る頃。石蕗の花は歳時記では冬だが早ければ秋の内にも咲き始める。散歩の楽しみの一つ、、、。(2022年秋詠)
警笛の度の谺や山の秋
遠くで鳴った警笛が近くの山で谺となる。その音がまた違う山で谺となる。いくつか連続して谺になり、しだいに小さくなって消えてゆく。しばらくするとまた新しい警笛が、、、。(2022年秋詠)
野良猫の素性論ずる夜長かな
どこから来たかと、ただそれだけの事です、、、。(2022年秋詠)
傾きし電信柱葛の花
JRの線路脇にある電信柱、電線はあるがだいぶ傾き、葛の蔓に覆われている。大丈夫なのかと毎年心配になるぐらいに覆われて、花も咲く、、、。(2022年秋詠)
高らかに名乗る鳥声秋日和
今一番高らかに名乗るのは鵙です。先日TVで鵙の生態を見てから、余計に親しみを覚えるようになりました。一生懸命鳴いています。それに雀、これは年中賑やかですが雀も今が書き入れ時、、、。(2022年秋詠)