春愁や猫の生涯想ひもし

野良猫の生涯は四、五年のものらしい。とすれば今我が家にいる猫も、すでにその半分ぐらいは消費している事になるのだろう。我が家に来る前は兄弟で河原の茂みの中で暮らしていたようで、野生そのものだった。その一緒に来た兄弟の一匹が亡くなったのが去年の今頃だった。ある日突然庭の木の下で死んでいた。外傷は無かったし来た時からいつも鼻水を出しているような猫だったから病死だったのだろう。せっかく餌に困らない環境を見つけたのに、一年もしない内に亡くなるなんて、、、。(2019年春詠)

春愁や犬に白髪の増えて来し

早いですね、もう二月も終わりです、、、。犬だって歳を取ると白髪が目立つようになってくる。もともとが真っ黒な犬なのでよく分かる。鼻の下の口の周り、耳の中、足の裏の肉球のところ。人間の年齢で言えば、さしあたり私ぐらいになるのだろう、私の増えて来た白髪と良い勝負になってきた。順当に行けばあの世へ行くのは犬のほうが先だが、もしかしたらその前に介護が必要になるのかも知れない。そんなことを考えていると、ちょっと春愁の気分にもなってくる。介護するのも大変だろうなあ、何しろ30キロを越えているからなあ、、、。(2014年春詠)

ハローワーク出でてしばらく春愁に

失業認定日、朝からハローワークへ。書類を提出後しばらく待機、簡単な面接を受け書類に不備もなく失業中と認定される。これで数日中に銀行口座へ給付金が入金される。次の認定日用の書類を受け取り終了となるが、何度も足を運ぶのは面倒なのでついでに職業相談を受ける。これが結構待たされる。たぶん定年退職ですぐに働く気も無さそうに見えるから後回しになるのだろう、と思うのは偏見だろうか。待たされる間に受付を見ていると、老若男女さまざまな年代のさまざまな人がやって来る。これがすべて失業者なのか、今自分もその一員なのかと思うと複雑な気持ちになる。行く度にその思いが強くなる。相談員の当たり障りのない話に礼を言って外に出るとドッと疲れが出たような気がする。(2012年春詠)