大鯰土管の口にひげ覗く

働いていた頃、会社の横に大きな農業用の水路があった。田植から夏の間は水が豊かで、大きな鯉や鯰が上って来た。季節になると時々抜け出しては見に行った。一つの土管の穴に何匹もの鯰が住んでいるらしく、一匹が入ると交替するように一匹が出て来たりした。鯉も50Cmはありそうなものが上って来た。一度釣ってみたいと思っていたが、思っている内に退職してしまった、、、。(2018年夏詠)

石投げて眠る鯰を起こしけり

まだ在職中だった頃の句です。会社の脇を流れる農業用の水路は夏になると水量が増え、鯉や鯰が上って来ました。それも大物がいるので、時々抜け出しては観察に行きました。掲句の鯰も大物、水底でまったく動かないので、石を投げたら大慌てで、、、。(2010年夏詠)

大鯰ひげで探りし空の縁

会社と中国道の土手の間に大きな用水路があった。吉井川の支流になり、普段はほとんど水量が無いが、田圃に水が必要な時期と大雨の時だけは用水路らしい流れを見せた。中国道の土手は鬱蒼と茂り、会社側は桜の古木が連なり、格好の目隠しになるからだろう、水量の多い時期には鯉や鯰が上って来てゆったりと泳ぐ姿が見えた。鯰は水底で昼寝のようにじっとしていたが、突然ゆっくりと身体をくねらせ、用水路の縁沿いに水面に近づくとしばらく口を動かしていた。それに合せて水面から出た太いひげが、ちょうど何かを探しているように動いた。それが終ると、鯰は再び水底に沈み、何事もなかったように動かなくなった、、、。(2011年夏詠)