大鯰土管の口にひげ覗く

働いていた頃、会社の横に大きな農業用の水路があった。田植から夏の間は水が豊かで、大きな鯉や鯰が上って来た。季節になると時々抜け出しては見に行った。一つの土管の穴に何匹もの鯰が住んでいるらしく、一匹が入ると交替するように一匹が出て来たりした。鯉も50Cmはありそうなものが上って来た。一度釣ってみたいと思っていたが、思っている内に退職してしまった、、、。(2018年夏詠)

黒南風や昼は「野ばら」の楽流れ

正午になると少し離れたところにある緊急放送用のスピーカーから電子音で「野ばら」の曲が流れてきます。夢中になって庭いじりなんかしている時には便利です。ちなみに朝六時は「みかんの花咲く丘」、夕方五時は「故郷」です、、、。(2018年夏詠)

雄鶏の声の遠くに明易し

早朝の散歩で聞えて来た雄鶏の声、何だか懐かしい。いかにも夏の朝らしい高らかな声。実家でも鶏は何匹も飼っていたが雄鶏はいなかった。理由は簡単で、卵を産まないからだろうと思うが、あの声が毎朝身近でするのも考え物かも知れない、、、。(2018年夏詠)

転ばん体操梅雨の晴間を開け放ち

健康増進を目的に公民館や公会堂を使って「転ばん体操」という簡単な体操が盛んに行われている。車で通りがかりに見たとある公民館、ムシムシとする空気をはねのけるように開け放った部屋で、椅子に座って一斉に両手を上げた元気そうな老人たちの姿があった、、、。(2018年夏詠)