鬼やんましつぽで風をあやつりぬ

やんまでも大きいほう、低空飛行でまるで戦闘機かなにかのように立派。少なくなったものの一つ。と思っていたら昨日我が家の庭にやって来た。網戸の外にホバリングして部屋の中を覗いていた。何度かそのようにして、大して面白くなかったのだろう、向きを変えて飛んで行った、、、。(2016年秋詠)

どもならん眼鏡に落つる秋の汗

下を向いて作業をしていると、汗が自分の眼鏡のレンズの内側に落ちる。視界がゆがんでしまう。汗拭きのタオルで拭くと、すでに汗を吸って汚れているタオルの汗が一緒になって、レンズの汚れとなって残る。ゆがんでいるよりましだが、これもかすんで見難い。何んとかならんかと思うがどうにもならん。最近この汗が苦痛、、、。(2016年秋詠)

今日明日が峠と堪ふる残暑かな

夏至の頃と比べると太陽の高度はだいぶ下がっています。もう部屋の中へ日差が入って来るようになりました。残暑の原因の多くはこれだろうと、最近屁理屈を考えています。もう一頑張り、この暑さに耐えなければ、、、。(2016年秋詠)

白菊や黄菊や朝の路地ぬける

隣家の軒下に菊が数鉢並んでいます。今年は作られていないのかと思っていたのですが、ここに来て中程度の大きさのそろった白と黄の数鉢が並んでいます。作者のきちんとした性格が表われているような菊です。掲句は昔、徒歩通勤途中の路地に面したお宅の横を抜ける時の句です。こちらは寄せ植えの小さな白と黄、赤ら顔のおじいさんの花畑、、、。(2002年秋詠)