亀の眼のいつも眠さう秋日和

アイビースクエアの一角にある池、亀がたくさん日を浴びている。押し合いへし合いしながら石の上に登ろうとしている。それを見ているだけで面白い。空気に触れて目が乾くからかなあ、目がいつも半眼になっているように見える、、、。(2017年秋詠)

稲滓火の一村覆ふ煙かな

稲刈が始まりました。稲藁も今は使われる事が少なく、コンバインで刈ったその場で裁断されてしまいます。夕方になればそれが焼かれます。もうもうと広い田から青煙が上がり、風にかき回されて一帯が煙の中に隠れてしまいます。迷惑と思うか、新藁を焼く匂を懐かしく思うか、紙一重かも知れません、、、。(2017年秋詠)

老人に添ひて白犬秋深し

角を曲がったところでいきなり自転車の女性に連れられた白犬と出会った。あやうくぶつかるところだった。「ごめんなさい」と言いながらよく見ると、何だか見たことがあるような犬。いつも老人と一緒だった白犬に似ている。「もしかして、以前おじいさんと散歩していた犬ですか?」「ええ、今年の1月ぐらいまではそうだったのですが、身体を壊して、、、。今は入院しているんです。それで私が・・・。」「そうですか、よく見かけていたのに、どうされたのかと思っていました。」心なしか白犬も以前より細くなって見えた、、、。(2017年秋詠)

腕折りて眠る重機や葛の花

小学生の頃、我が家には何匹も兎がいた。学校から帰ってその餌を採りに行くのが子供の仕事で、春から秋までせっせと葛の葉を採った。葛は栄養があって、美味しいのだろう、兎に限らず牛も山羊も好んで食べた。葛はいくら採っても採り尽くすことが無い。強すぎて、最近では兎もいないので負けてばかり、、、。(2017年秋詠)