池の春ゆるりゆるりと鯉の道

空には鯉幟、池には錦鯉、五月です。どうやら池の鯉もやにくもに泳いでいるのではないらしい。水底の起伏であったり、水草の生え具合であったり、餌の落ちて来る場所であったり、時間であったり、そんな事で自然とコースが出来るのだろう。五月の池の鯉は空の鯉幟を上目遣いに眺めながらゆったりと泳いでいる、、、。(2018年春詠)

城址てふつつじ群れ咲くひと所

川越しに見える山の頂、この時季になると躑躅で赤く染まって見える。以前気になって調べたら、どうやら中世の山城の址らしい。どなたか心ある方が整備されたものらしく、一時期は鯉幟まで上がっていた。一度梺までは行ってみたが、聞くと車で登れるような所ではないらしく諦めた。その後鯉幟は数年で上がらなくなったが、躑躅は整備されているのか植えっぱなしなのか分からないが、いまだに一面を染め上げている、、、。(2018年春詠)

息切らす八十八段花は葉に

四月の終り、と共に平成の終り。昭和に生まれ、平成を越え、どうやら令和が見えるところまで来たようです。掲句は阿智神社の参道の石段、いつも鳥居の下から見上げて、「さあ上ろう」と覚悟を決めて上り始めます。ここを上ればだいたいその日の体調がわかります、、、。(2018年春詠)

一面の金波銀波となる茅花

河川敷公園の芝生が長い年月の間に茅花に覆われてしまった。穂が出て一斉に風になびく様はきれいだが、歩きにくくてしょうがない。と思っていたら昨年の大水害で洗われ、多くの場所が瓦礫と砂に覆われてしまった。傷んだ芝生は張り替え、通路には土を入れて補修し、前よりきれいな公園になった。歩きやすくもなったが、どうやら一面の茅花は当分見られないようだ、、、。(2018年春詠)

春深し散歩の猫に赤い紐

久し振りに出会った近所の猫を散歩させている高齢の女性、掲句を詠んだ去年は多少足が悪いのかなと思う程度だったが、今年見ると老人用の手押し車を押しての散歩に変わっていた。赤い紐をつけられた猫は相変らず元気そうで、どこ吹く風の様子、、、。(2018年春詠)

一息に燕越え行く杜の空

見事!青空の下で高い所を一息に越えて行く燕は見ていて気持ちが良い。飽かず眺められる。掲句は倉敷阿智神社、都会であれば杜がビルに変わり、同じような飛翔が見られるのだろうと、田舎暮らしの私は想像してみるのです、、、。(2018年春詠)