城址てふ碑ひとつ残り柿

近所にある城址、今は畑となった小さな丘の隅に石碑が立っているのみ。その傍に柿の木、実の形状から見ると渋柿だろう。かつての面影は全くないが、古地図を見ると確かに城があり、その地図の端っこのほうの我が家のある辺りもその関連だったようだ。その名残か昔の住居表示では「字小門」となっていた、、、。(2017年冬詠)

露座売の着ぶくれてなほ寒さうに

掲句、昨年の11月23日の日付、倉敷美観地区での句です。昨年はだいぶ寒かったのでしょうね。今年は暖冬、と言われてその気になっている内に、じわりじわりとやって来ましたね、寒気が、、、。(2017年冬詠)

茶の花やころがりさうに坂の道

棚田沿いに急な坂道が続いている。表面はコンクリート舗装、一応すべり止めの刷毛跡が付けてあるが、年数が経って表面はざらざらになっている。上りはまだ良いが下りが危ない。必要以上に足に力が入ってしまう。一息には無理で、ちょっと一休みと腰を伸ばして道端を見ると茶の花が咲いていた。目立たない花、、、。(2017年冬詠)