夏燕孕みし胎を翻す

燕は一夏に二回から三回子育てをするそうです。だから忙しい。まだ一番子の子育てをしながら二番子をお腹に宿すこともあるのでしょう。掲句、目の前で身を翻した燕のふっくらとした腹が印象的だった。母となるものの美しさは人間も動物も同じで美しい、、、。(2014年夏詠)

カメラ手の美女を掠めて夏燕

これも高松城跡での句、よくぶつからないものだと思う燕の飛翔、、、。掲句の美女は本物の美女ですが当日、美女は美女でも着ぐるみの美女に遭遇、何ともそのいでたちが気になるので、ネットで検索して行き着いたのが「わこの きぐるみ日記」というページ、思いのほか積極的に活動されている方で、以来毎日楽しみに覗いているページです。美女が気になる方、検索してみてください、、、。(2014年夏詠)

垂直にビルの空あり夏つばめ

街には街の、田舎には田舎の燕が夏を謳歌している。考えてみれば燕はずいぶん適応性にすぐれた鳥だ。田舎の農家の静かな納屋の中でも、一晩中明かりの点った賑やかな都会の駅舎でも、平気で子育てをしている。燕は秋には南に渡り、また翌年戻って来るというが、都会で生まれた燕は同じ都会へ戻って来るのだろうか、、、。(2011年夏詠)

機関区に汽笛短し夏つばめ

機関区には心惹かれるものがあって、つい立ち止まってしまう。広い敷地にも、古びた大きな建物の中にも、何本ものレールが引かれ、整備待ちや終わった車両が何台も止まっている。夏には道路側の大きな扉が開かれ、整備中の車両が見えたり油の匂いがしたりする。機関区の空は広い。何羽もの燕が飛び交い、時たま短く合図の汽笛が聞こえる、、、。(2013年夏詠)

夏燕速度落とさず路地抜ける

いつもの通い道の、家一軒分を近道する路地です。路地を抜けると国道、すぐ目の前に信号があります。赤信号も燕には関係なく、路地に入った速度のそのままで、一気に国道を渡って行きます、、、。燕は好きな鳥の一つです。句にもなり安いので、やたらと同じような句を詠んでしまいます。そんな句の一つです、、、。(2003年夏詠)