翡翠の川一突きの音立つる

掲句は昨年見たカワセミ、今年は先日ミサゴが漁をする場面に出くわしました。カワセミの立てる音は気づかないほどの小さな音ですが、ミサゴの場合は驚くほど大きな音をさせて水面にぶつかります。残念ながら三度ほど挑戦して何も捕れずに去って行きました。以前一度大きな鯉を捕らえて空高く悠々と去って行く場面に出会った事があります。それ以来で、もう生息していないかも知れないと思っていただけにうれしい出会いではありました、、、。(2019年夏詠)

煌々と村のコンビニ燕の子

今時真の闇なんてそうそう有るものでは無く、田舎に行ったって飛び飛びには街灯があり、何となくほの明るい。そんな中で群を抜いて明るいのがコンビニだ。車で走っていると、こんなところにと思うような所でコンビニに出会うことがある。そんなコンビニの、入口の明りから少し外れた角の所に燕の巣、小さな頭が並んでおとなしく下を覗いている、、、。(2019年夏詠)

葉桜の一樹を芯に鳶の空

花の咲いた時季にもその上に鳶の円を描き舞う空があった。時が移り若葉となったその木の上にまた鳶が同じように円を描いている。花時の華やかさはないが、緑に包まれた木には落ち付きと風格さえ感じられる。鳶は、相変らず同じようにのんびりとして見える、、、。(2019年夏詠)