9月11日の句会から-5 さて、岡山に着きました。車を置いて川沿いに西川緑道公園をめざします。「秋暑し・・・」「秋の川・・・」「秋の水・・・」なんて、周囲を見ながら歩きますが、暑いだけで一向に思考がまとまらない。「ちょっと一休み」とフェンスにもたれて川面を覗くと、「うわっ、亀だ!大きい!」水草に乗っかるようにして30Cmほどの大きな亀が浮いていました。「外来種かなあ?甲羅の縁がちょっと黄色っぽいぞ」ともう少し詳しく見ようとすると、危険と思ったのか、亀はゆったりと水底に沈んで行きました。濡れた甲羅に光る日差がきれいだったなあ、と一句、、、。これで五句、ここから先は惨憺たるもので、あと二句無理やり造って出しましたが結果は推して知るべしで、ここでは割愛いたします。それでも何とか当日句で七句出しましたとさ、、、。(2013年秋詠)
投稿者: 牛二
トンネルの中は空洞秋の風
9月11日の句会から-4 トンネルだから空洞なのは当たり前ですが、53号線に出来た新しいトンネルを通っていて改めて空洞を感じてしまいました。大きくて、きれいで、明るい、快適なトンネルですがちょうど出たところに信号があり、要注意、、、。今までの旭川を見ながらのコースも、それはそれで気に入ったところだったのです、、、。これで四句、、、。(2013年秋詠)
コスモスのゆるる高さの風であり
9月11日の句会から-3 さて、これは句会へ行く途中、国道53号線を走っている時に咲いていたコスモスです。かつては田圃だったところでしょう、ちょうど運転している眼の高さに、花だけが揺れていました。ふっと風の高さを感じていました、、、。岡山までは普通に走って1時間半ぐらいかかります。貴重な時間ですが、わき見運転ばかりするわけには行きません。出来るだけ瞬間的に見たことを記憶に焼き付け、信号待ちで手帳に書きとめるようにしています。いくつか重なって、信号待ちまでに忘れてしまうことも時々、、、。(2013年秋詠)
朝顔のぽつと開きし空の色
9月11日の句会から-2 句会の日とは言え、欠かせないのが犬の散歩です。途中の土手に、毎年花を開く朝顔があります。もとは捨てられたものでしょう。花の大きさはだんだんと小さくなりましたが、夜明けの空のようなその青色は、むしろ澄んでいくような気がします。その朝顔が小さく咲いているのを見たときの句です。「ぽ」の口の形で、、、。(2013年秋詠)
鵙の声聞きてそれより眠られず
9月11日の句会から-1 句会は七句出句です。決まっている訳ではないのですが、出来れば当日句を出したいと思うと、朝の目覚めから無駄には出来ません。5時15分、この朝は鵙の声で目覚めました。ちょっと早いなあと思いながらの一句、、、。(2013年秋詠)
散り急ぐ桜紅葉となりにけり
植わっている場所にもよるのでしょうが、近くの土手の桜並木は秋になると待っていたかのように紅葉し散り始めます。紅葉が早いか散るのが早いか、ぐらいの勢いです。少し強い風が吹くと、まだ周囲が青々とした中に、ある朝突然に落葉を敷詰めた道が現れたりします。これはこれで結構新鮮な感じで、好きな風景ではあります、、、。(2011年秋詠)
子のごとく叱る草の実付けし猫
叱って効果がある訳でもなし、猫のほうも心得たもので、耳を畳んで首を縮め、おとなしくしているが身体は低く、いつでも逃げ出せる体勢をとっている。たいてい後二つ三つのあたりで気を緩めると、するりと逃げ出してしまう、、、。まあ草の実だから良いようなもので、下手をしてドブにはまって帰ってきた時は最悪である。風呂場の戸を閉め、引っかかれないように気をつけながら、しばらく格闘することになるのである、、、。(2010年秋詠)
通園のバス待つ母子手に野菊
俳句を始めて間もない頃の通勤途中の光景です。ああ、こういう光景を見ることも無くなったなあ。例えばあの時の子が5才だったら、今はもう20才の大人です。どういう青春を送っているのでしょうか、、、。(1998年秋詠)
叔父に聞く母のロマンス秋彼岸
叔父がポロリと話してくれた父と母のロマンス。きっと二人とも仏壇の向こうで慌てているだろうが、こういう話を聞けるのも叔父一人になってしまった、、、。(2012年秋詠)
撓みつつ月にかかりし雁の棹
日常の散歩で、こんな景色に出会えることも、あるのです。ほんとに偶然、タマタマです、、、。(2012年秋詠)