古い句です。寝ながらしっぽで子猫を遊ばせている母猫、可愛いですね。日差が暖かい、、、。(2000年秋詠)
カテゴリー: 2000
何やらが逃げて青田の水匂ふ
すっかり青田になった県北の田圃、逃げたのはたぶん蛙でしょう。炎天に曝された水が匂ってきます。田圃の土の匂いです。記憶の底に染み付いた懐かしい匂いです、、、。(2000年夏詠)
夜神楽の裸電球ゆれ止まず
古い句です。昔、実家の祭りが11月18、19日だったのを思い出して、引っ張り出してきました。今は祭りと言えば休日に合わせて行われますが、昔は固定された日でしたね。それが実家のある地域では11月18、19日でした。18日が宵祭り、神社の拝殿を舞台に、夜遅くまで備中神楽が奉納されました。もう十分に寒い季節で、着込んで行っても寒く、境内で焚かれる大焚火で温まっては拝殿に戻ったものです、、、。(2000年冬詠)
初詣屋台に刃物選びをり
古い句です。真庭市の木山神社、ここへ初詣に行きだして二十五年ほどになります。その間に社務所は新しくなるし、吹きっさらしだった拝殿も板戸で囲われて良くなりました。その代わり境内の屋台はずいぶん減りました。掲句はその減ったお店の一つ、当時出ていた新見市の「松水」と言う鍛冶屋さんです。刃物や鍬や、いろいろ買いましたが、そのどれもが使いやすくて、今でも立派に使えていますよ、、、。(2000年新年詠)
暮早し老舗旅館の長廊下
旅館に泊まること自体がなくなってしまいましたが、昔はありましたね、建増し建増しで迷路のように廊下がつながった旅館が。安く泊まろうとするものだから端っこのほうの部屋で、食事に指定された広間まで行くのに迷子になってしまうようなことが、、、。それはそれとして、掲句はれっきとした老舗旅館、、、。(2000年冬詠)
銀杏落葉川を隔てし大樹より
通勤途中に見つけた銀杏落葉、一瞬そこに銀杏の落葉があることが不思議で、辺りを見回すと川の向うに大きな銀杏の木があった。それまで銀杏の木があることに気づかなかった。たぶん下ばかり向いて歩いていたのかも知れない、、、。(2000年冬詠)
初冬や夕べに匂ふ田の煙
ずいぶん前の句です。同じ光景は今も続いていますが、私自身はずいぶん変わってしまいましたね、、、。(2000年冬詠)
整然と自転車止むる夜学生
(2000年秋詠)
夏蝶の雨宿りする厨口
蝶のほうは見つかって迷惑でしょうが、雨の日はこんな事も楽しいですね、、、。(2000年夏詠)
朝日受く新聞受けのなめくぢり
庭に植えておいたキャベツ、玉になるのは無理だろうとあきらめていたら、何とか形になった。待って、待って、満を持して採ったら、中がナメクジだらけだった。それでネットで調べたら家庭菜園のナメクジ対策にはコーヒーが効果的らしい。というので先日から、ドリップの後のコーヒー滓を溜めている。先は長い、、、。そういえば昔からナメクジは多かった、と思い出したのが掲句、、、。(2000年夏詠)