やっとと言うか、急にと言うか、秋が深まって来ましたね。稲刈後の畦道にはもう草が伸びて色づいています。昔より稲刈は早いし、気温は高いしで、田圃の中も切株から青々と芽が出てもう一度収穫できるのではないかと思うぐらいです。秋たけなわですが、台風も、、、。(2018年秋詠)
カテゴリー: 2018
万遍に刈田照らされ十三夜
十三夜です。残念ながら台風近し!心配な十三夜です。掲句は昨年、我が家から出ると見える田圃、すっかり刈田となって月光に照らされていました、、、。(2018年秋詠)
秋日濃し足袋の干さるる社務所裏
良いのか悪いのか同じ場所の吟行を繰り返しているとこんな所に眼が行くようになる。時によって足袋であったり、袴であったり、神職も忙しい、、、。(2018年秋詠)
「長寿」てふ喫茶店あり里の秋
昨日は見失った句で今日は見つけた句。句会への途上で、、、。(2018年秋詠)
たそがれの空に秋燕見失ふ
もう帰ってしまったとばかり思っていた燕を見つけた。夕暮れの空の高みに数羽が点のように舞っている。目を離した瞬間に見失うほど高い位置、、、。(2018年秋詠)
榠櫨の実一つ貰ひて持て余す
「自由にお取りください」と書いてあるとつい貰ってしまう。持って帰って机の上に置くと良い匂いがする。さてそれから、この一つをどうしたものかと悩んでしまう、、、。(2018年秋詠)
木犀の散るや華やぐ石の上
木の下一面が金木犀の金、、、。(2018年秋詠)
落武者の列の如くに曼殊沙華
衰えて雨に濡れた彼岸花、まるで落武者のようだと思った昨年の句です、、、。先日所用で実家まで帰って気づいた事ですが、313号線を走る道すがら、ずいぶんと彼岸花が増えました。一時コスモスが増えて、行けども行けどもコスモスの花でしたが、今は行けども行けども彼岸花なのです、、、。(2018年秋詠)
稲滓火の煙の中の日暮かな
せっかく乾いたところに雨が降っては敵わないと雨の前の夕方にはあちこちで稲滓火の煙が上がる。村中が煙に覆われるが、田舎だから文句を言う人はいない。こんな日はサッサと洗濯物を取り込んで煙に備える、、、。(2018年秋詠)
知恵の輪の解く知恵の出ぬ夜長かな
ほんの出来心で手に入れてしまった知恵の輪のセット、そのうちの一つが解けただけで、あとは知らぬ間にどこか目につかない所へ、箱に入ったままで、片づけられてしまったようだ。、、、。(2018年秋詠)