昔ある人から聞いた話で、その人が若かった頃に某ビール会社の近くに住んでいて、その会社の塀には外に向けて蛇口が付けてあり、ひねるとビールが出て来た。だから毎日仕事帰りにそこで一杯、とか、、、。たぶん嘘でしょう。掲句はただの水、、、。(2018年夏詠)
月: 2019年6月
黒南風や掃けばまた散る山法師
我が家にある源平山法師、同じ木から白と赤の花が咲く。赤と言ってもピンクに近い上品な色。赤の出る確率は年によって違う。天候のせいか今年は赤が多く、十分に楽しませてもらった。山法師の花は咲き始めは小さく、長い期間をかけてしだいに大きく成長していく。梅雨の頃が散り時で、その頃にはもう衰えた花びら(苞)の中心に青い実が出来ている、、、。(2018年夏詠)
新聞の開けばそこに梅雨の闇
例によって昨年の今頃何の記事が出ていたのかはすっかり忘れています、、、。(2018年夏詠)
大鯰土管の口にひげ覗く
働いていた頃、会社の横に大きな農業用の水路があった。田植から夏の間は水が豊かで、大きな鯉や鯰が上って来た。季節になると時々抜け出しては見に行った。一つの土管の穴に何匹もの鯰が住んでいるらしく、一匹が入ると交替するように一匹が出て来たりした。鯉も50Cmはありそうなものが上って来た。一度釣ってみたいと思っていたが、思っている内に退職してしまった、、、。(2018年夏詠)
影が影追ひかけてゐる目高の子
掲句は我が家の裏の用水路のメダカの子、小さくてどれが本体でどれが影やらよく見ないと判らない。流れの中で一日中泳いでいる。元気なものだ、、、。(2018年夏詠)
黒南風や昼は「野ばら」の楽流れ
正午になると少し離れたところにある緊急放送用のスピーカーから電子音で「野ばら」の曲が流れてきます。夢中になって庭いじりなんかしている時には便利です。ちなみに朝六時は「みかんの花咲く丘」、夕方五時は「故郷」です、、、。(2018年夏詠)
雄鶏の声の遠くに明易し
早朝の散歩で聞えて来た雄鶏の声、何だか懐かしい。いかにも夏の朝らしい高らかな声。実家でも鶏は何匹も飼っていたが雄鶏はいなかった。理由は簡単で、卵を産まないからだろうと思うが、あの声が毎朝身近でするのも考え物かも知れない、、、。(2018年夏詠)
夏蝶の風を味方に屋根越ゆる
風に舞う木の葉かと思ったら大きなアゲハ蝶、お寺の屋根を越えて舞い降りるのかと思ったらまた風にのり、スピードを上げて頭上を通り過ぎて行った、、、。(2018年夏詠)
みちくさの少女水色梅雨の傘
掲句は去年、近所の小学三年生の女の子、近くに子供がいないものだから一人で道草をしながら帰って来る。大きな水色の雨傘でまるで傘が歩いているようだった、、、。(2018年夏詠)
あるもので済ませ一人の梅雨籠り
暦の上では今日が入梅です。今年はどんな梅雨になるのか分かりませんが、昨年のような豪雨にだけはなりませんように。何事もほどほどに、、、。(2018年夏詠)