秋日濃し漢眠れる土手の草

散歩の途中でふと見ると土手と河原の境のあたりに人が倒れている。あまり身なりが良いようには見えない男性。もしかして行き倒れ、あるいは死人、と思ったがよく見ると微かに動いている。どうするか落ち着いて考えようと、そのままもう少し散歩を続けて、戻ってみると跡形もなく消えていた。どうやら天気が良いので眠っていただけだったらしい、、、。(2020年秋詠)

電柱をのぼりし葛の獣めく

民営化されて以後、小さな単線の線路脇などほとんど手入れされる事がなくなった。葛が生え、線路脇の電柱に上り、上で大きな茂みになっている。そこに風が吹くと大きく揺れる。夜ともなるとまるで生き物のように見える、、、。(2020年秋詠)

血を吸うて尚離れざる秋の蚊は

なかなか昼間は涼しくなりませんね。庭仕事をしているといまだに蚊に悩まされます。それも夏よりもしつこい気がします。活動出来る期間はもう少し、蚊だって必死なのは分かりますが、、、。(2020年秋詠)