あめんぼを浮かべて速し濁り川

昨年のRSKバラ園吟行での句。正面の広い駐車場に沿って木立があり川が流れています。県南もそろそろ田植シーズンだったからでしょうか、水量も多く濁っていました。たくさんのあめんぼが浮いて、流れが速いものだからどのあめんぼも必死の動き(と思ったのは私だけかも知れませんね)、、、。(2017年夏詠)

姫女苑咲けども捨田華やがず

姫女苑が咲き始めました。掲句は昨年、句会への途上での句。国道429号線を走ると捨田、休田がいくらでも見られます。私の実家の田圃も同じです。だから心が痛みます。やめたのは父ですが迷わず賛成したのは私です、、、。(2017年夏詠)

三尺の脚立の上の涼しさよ

そろそろ生垣の剪定を始めます。私の年中行事です。とは言うものの、やはり年を追って負担が大きくなってきた気がします。始めるまでが大変なんです。今日こそ、今日から、と思うばかりでとうとう六月に入ってしまいました。始めてしまえば掲句のような風にも出会えるのですけどね、、、。(2017年夏詠)

木霊には木霊が応へ時鳥

六月です。向こうの山でホトトギスが鳴いています。昨年より多いような気がしています。散歩の途中で耳を澄ますと、鳴く声と、それが木霊した声と、その木霊がまた木霊した声と、何がなんだかわからなくなった時の昨年の句です、、、。(2017年夏詠)

退屈な犬に卯の花腐しかな

歳時記の卯の花腐しの項には旧暦四月の頃に降り続く霖雨とあります。咲いている卯の花を腐らせる意とも。卯の花もそろそろ終わりでしょうか。梅雨間近の今日この頃です。犬も年取ると寝るばっかりです、、、。(2017年夏詠)

命ある証まくなぎ寄り来たる

夏になると出て来る。それも同じ散歩道の同じところで現れる。しばらく手で払いながら歩くと、居なくなる所もまた同じ。不思議だけれど、う、る、さ、い。ずっとそう思っていたのだが、ふとこれも生きている証かと、そんなふうに思った時の句、、、。(2017年夏詠)