(2013年夏詠)
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半ズボン足に齢の見え隠れ
(2013年夏詠)
涼風のその一閃にする吐息
涼しさについホッと息を吐く事ってありませんか?掲句は実家の開け放った座敷の仏壇の前に座った時の句ですが、ここが実家の特等席、、、。(2013年夏詠)
萍の淀みてつなぐ命かな
深い意味はありません。萍を見ていると、やはり流れのあるところでは育たないようですね。水田のように淀んでいると、葉っぱの脇に小さな葉っぱが出来て、次々増えていきますが。子どもの頃に田舎の小さな川で泳いでいると、流れてくる萍が邪魔になったものです、、、。(2013年夏詠)
夏暁の豊かにきうり刻む音
子どもの頃の夏の目覚めはいつもこの音でした。母だったのか祖母だったのか、毎朝軽やかな音をさせて胡瓜を刻んでいる。出来上がるのは備中地方の郷土料理(?)キュウリザイ。朝といわず、昼といわず、夜といわず、夏の食卓にはいつもあって、子ども心にはどうでもよかったが、この歳になると懐かしい、味も音も、、、。(2013年夏詠)
涼しさに翼ひらいて朝の鳩
別に涼しいから飛んでいる訳じゃあありませんよ、と言われそう、、、。(2012年夏詠)
釘一本打つて滂沱の汗となる
世の中ってこんなに暑かったのか、と感じた退職後半年の句、、、。(2012年夏詠)
羅をさらりと名古屋場所のひと
今日から名古屋場所です。名古屋場所に限ったことではありませんが、テレビで相撲中継を見ていると、必ず美しい着物姿の女性が映りますね。それも同じ女性が同じ席に、日々違う着物で、というケースが多いのですが、どういった方なんでしょうね?こんな事を考えながら平日に相撲中継を見ている、無職、を実感する時です、、、。(2012年夏詠)
向日葵や介護の車来て止まる
三本ほど植えてあった向日葵がお婆さんの背丈の二倍ぐらいになって花をつけている。一人になられてからは近くの息子さんの家で寝泊りし、毎日お嫁さんの車で通って来られるのが八時過ぎ。それから雨戸を開ける音やら、仏壇の鈴の音やら、いろいろ指示をされるお嫁さんの大きな声(お婆さんは耳も悪い)が続き、一区切りついた九時頃にデイサービスの車が迎えに来る。我家の前をバック音をさせながら通過し、ちょうど向日葵のへんで止まる。ドアが開き、迎えに来た介護師の明るい声が聞こえる。「おはようございます」「お婆さん来られたで!」「早ようせにゃあ!」、、、一通り連絡事項などが済むと車は出て行く。お嫁さんも後を追うように自分の仕事に出かけられる、、、。(2011年夏詠)
夏雲の影山を這ひ川を這ひ
積乱雲ばかりが夏の雲じゃあないよ、と日差を遮りながら空を駆けていく大きなちぎれ雲は乱層雲と言うのだったかなあ、、、。(2013年夏詠)