散歩コースの終点に大きな堰があります。大川を斜めに堰いてその先の取水口が灌漑用の水路へと繋がっています。私が見るのはその堰までですが、そこから先の水路は江戸時代に出来た全長16キロに及ぶものだそうです。川土手を歩いて行くと堰の水音が遠くまで聞こえてきます。それと同時に白い壁となって堰を越える水流が見えて来ます。四季おりおりに楽しめますが殊に春になって上流の雪解け水が加わるこれからが見頃になります、、、。(2020年春詠)
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外つ国に続く用水蜷の道
この用水もやがては海に、と、ふと壮大な事を考えてしまった散歩途中の句、、、。(2020年春詠)
億万の中の一つの犬ふぐり
身近にあるのに気づかない花。気づいた時にはすでに億万の中の一つの花、、、。(2020年春詠)
覚え無きものに鼾と春の夢
なんと言われようと、記憶にはないのです、、、。(2020年春詠)
浅春の湯気立ててゐる朝の屋根
大霜の朝は野山はもちろん家々の屋根も真っ白です。そこに太陽が当たると一気に屋根の温度が上昇するのでしょう、霜が融けて水蒸気になってもやもやと昇って行きます。春の霜ならではの光景です、、、。(2020年春詠)
尻上げてよいしよと潜る春の鴨
たぶんもう川底には水草の芽が出ているのでしょうね。鴨たちが日差の中でお尻を上げては潜って行きます。見ていて楽しい景です、、、。(2020年春詠)
うすらひの縁より崩れ漂へり
凍っているんだか融けているんだか、つい触ってみたくなる薄氷、、、。(2020年春詠)
恋猫の後姿に玉二つ
我が家の雄猫、先日一日だけ鳴きながら外を歩いていましたが、それっきり静か。それはそれで飼い主としては結構心配なのです。元は野良猫で年齢は不詳とは言うものの男の子は元気が一番です、、、。(2020年春詠)
冴返る耳の後もつま先も
昨日の立春は思わぬ寒さでした。春と思えば耐えられますが、寒い時は寒いですね、、、。(2020年春詠)
立春のピリリと朝の空気かな
掲句は昨年の立春、今年はこうじゃあ無いですね。いよいよ春。俳句と出会って良かったと思う事の一つは季節の先取りです。暖かくなるのはまだ先ですが、春と思えば同じ寒さも冬とは違うものです、、、。(2020年春詠)