白障子閉まり声する寺の庫裏

節分です。今年は寺にも神社にも節分の行事中止の貼紙が見られます。掲句は昨年、節分の日ではありませんがまだ”密”が言われない頃、いつもは静かなお寺の障子の向うから何人かの声が賑やかに、、、。(2019年冬詠)

禅寺のつぎはぎだらけ白障子

総社市の井山宝福寺には、母が近くの施設にいたので訪れる機会が多く、ちょっとだけ母を訪ねては、一人吟行に時間を使った。宝福寺の方丈は庭越しに眺められるだけだが、禅寺らしい佇まいの立派な方丈で、雪舟が鼠の絵を描いたのもこの方丈の中だそうだ。その方丈の庭に面した障子は、やたらとつぎはぎがしてあり、それがまた冬日の中で美しい光を見せるのである。たぶん単なるデザインなんだろうとは思うが、禅寺なのであるいは何か別の意味があるのかも知れないなあ。(2010年冬詠)