県北の霧は深い。足早に遠ざかる人がすぐに霧の中に紛れてしまう。この霧が春まで続く、、、。(2019年冬詠)
祝賀御列銀杏黄葉の真下かな
祝賀御列の儀があったのは昨年の11月9日、早いものですもう一年。二日前に書けば良かったのですがすっかり忘れていました。失礼しました、、、。(2019年冬詠)
小春日や庭師繕ふ庭の苔
とあるお屋敷の開け放った門の向うに見えた景。法被姿の庭師が二人、しゃがんで何やら作業中、興味津々覗いてみるとどうやら庭の苔の傷んだ所を剥がして新しい苔を張り付けているらしい。珍しい。それにしても立派なお庭、、、。(2019年冬詠)
片時雨播州平野真つ二つ
現役時代の出張からの帰りに中国自動車道を走っていて見た風景を思い出して詠んだ句です、、、。(2019年冬詠)
青々と空のほぐれて今朝の冬
これは昨年の立冬の句、今年は一日雨でした、、、。(2019年冬詠)
冬めくやまづ空の色風の音
立冬です、、、。(2019年冬詠)
秋深しきらりきらりと川の魚
深しもなにも、秋は今日限り、明日はもう立冬です、、、。(2019年秋詠)
テレビより古里なまり秋ともし
何となく点けっぱなしにしていたテレビからふと聞えて来たのは聞き覚えのある故里訛り、見ると流れていたのは見覚えのある風景とニュース。懐かしいような、寂しいような、、、。(2019年秋詠)
8Kの視力の欲しや遠紅葉
細かい所が見えたほうが良い事もあれば悪い事もある。色づいた遠くの山などは細かく見えたほうが良いに決まっている。とは言え視力は衰えるもの、テレビのように4Kへ、8Kへとは行かない。我が家のテレビは目下デジタル止まり。4Kも8Kも量販店に並べられたテレビでしか見たことが無い。もっとも狭い部屋の小さなテレビで、4K、8Kと言ってもなあ、と言う思いも無い事はない。微妙な心境、、、。(2019年秋詠)
行く秋の風の撫でゆく後頭部
元々散髪屋に行くのは苦手で、行こうと思い始めてから行くまでに一か月はかかってしまう。特に今年はコロナで余計に億劫で、そのコロナを理由に今まで以上に伸ばしたりした。掲句は去年、髪を切った後の散歩、冬間近の風が後頭部に冷たかった、、、。(2019年秋詠)