子供の頃を思い出しての句。実家に大きな李の木がありました。近所で李があったのは我が家だけで、それが得意でした。そんなに食べたい訳でもないのにポケットを膨らませて遊びに行ったものです、、、。(2022年夏詠)
うじやうじやの中の一人のプールかな
夏の休日は大変!思うように泳げません。自然と休憩時間が多くなって、人間観察に使う時間が多くなります。お父さんお母さん、おじいちゃんおばあちゃん、お疲れ様です、、、。(2022年夏詠)
一日で野に戻りたる出水跡
近年はあちこちで水害が発生して、そんな中でこんな句を詠んで申し訳ないと思うのですが、いつもの河原が水面になる程度の出水、一日経つと水は引いて草は倒れているもののいつもの河原が、、、。(2022年夏詠)
夏の朝幼が走る母が追ふ
早朝の散歩での景。ベビーカーから降ろされ走り出した幼い子、慌ててベビーカーを押しながら後を追うお母さん。大丈夫です、田圃の中の道は車は通りませんから、、、。(2022年夏詠)
初蝉のまだ覚めやらぬ耳の奥
そろそろ梅雨明けが近いのでしょう、蝉の声が聞こえ始めましたよ。掲句は昨年、寝床の中にて、、、。(2022年夏詠)
水たまり烏の行水長かりし
散歩途中の河原に出来た水たまりで本物の烏が水を浴びていました。面白いのでしばらく眺めました。「行水」は季語ですが本物の烏のする行水は季語にはなりませんね。ちょっとズルを、、、。(2022年夏詠)
夏草や鼻近づけて牛の息
嫌いな臭いではないけれど、臭い、、、。(2022年夏詠)
言はずとも育つ南瓜に声掛けて
掲句は昨年、今年はとうとうこの時の南瓜の種からは芽が出ませんでした。捨てた種から次の年の南瓜が、と何年も繰り返しましたがとうとう途絶えてしまいました。残念、来年は新しい苗を買って一からスタートするつもりです。同じように声をかけて育てます、、、。(2022年夏詠)
幹枯れて我が物顔に梅雨茸
四五年前から枯れ始めた栗の木に全く芽が出なくなったのは昨年の春。そして昨年の梅雨時、ふと見たその栗の木の幹の根元あたりに毒々しい赤い色の大きな茸がずらりと。栗の木の死を実感した瞬間でした、、、。(2022年夏詠)
路地今も紫陽花の咲き猫の声
徒歩通勤をしていた頃の道が懐かしくて歩いてみた。かつては田圃に沿った開放的な道だったがやたらと家やマンションが増え、歩きにくい道になっていた。そんな通勤路の最後にある国道に抜ける短い路地、そこだけが昔と変わらぬ形で残っていた。家と家の間に人一人通れるだけの幅の路地、路地に面して右側の家の台所の出窓と勝手口、通るとよく生活の音や猫の声が聞こえたものだった。路地の手前の小さな植え込みには紫陽花、、、。(2022年夏詠)