アルプス吟行での句、、、ではありません。純和風の閑谷学校吟行での句です。イベントでのホルン演奏ですが、ホルンという楽器、春の山にはピッタリの音色ですね、、、。(2011年春詠)
カテゴリー: 2011
松花堂めきたる花壇名草の芽
花壇が四つに区切られていて、松花堂弁当のようだった、というだけのことです、、、。(2011年春詠)
啓蟄の出でよ出でよと鳥の声
今年は二月早々にアスファルトを這う蚯蚓を見つけて驚きましたが、結局二月は寒かったですね。寒いのは苦手です。暖かいほうが好きです。やっと待ちに待った春が来た感じです、、、。掲句の年の啓蟄は暖かで、鳥の声に溢れていました。鳥たちの声は、まるで土の中の虫たちを誘っているように聞こえました、と言うのは言い過ぎでしょうか、、、。(2011年春詠)
卒業期きちんと並び雀どち
三月になりました。雀に卒業はありませんが、電線にきちんと並んだ姿にふと卒業を思って詠んだ句です。人生に何度かあった卒業の、それぞれにあった期待と不安、懐かしいですね、、、。(2011年春詠)
窓枠をビシと鳴らして春一番
あれっ、今年の春一番はいつだったろうと思っています。掲句はまだ働いていた頃の春一番。古い建物なので、強い風が吹くとあちこちで音がします。いきなり建物にぶつかって来た風に、事務所の窓が壊れそうな音を立てたときの句です。(2011年春詠)
犬ふぐり地に咲く星と思ひけり
犬ふぐりの咲き始めって、ちょうど夕空に星が出始めるのと同じようだと思いませんか。最初の一つは偶然見つけるのです。そして一つ見つけると次を探したくなって、次から次へと、ちょうど夕空に増えていく星を探すように、探してしまうのです、、、。(2011年春詠)
一行で繋がるネット春寒し
便利になりましたね。一行で、と言うよりもワンクリックで繋がるのですからね。反面、溢れかえる情報の取捨選択が大変です。ウイルスとか成りすましとか心配事も増えました。それと、パソコンはいつ壊れるかも知れません。必要なデータはバックアップをとるようにしましょう。もっと大事なデータは、やはりアナログに戻って、紙に残したほうが良さそうです。と、自分に対する戒めですが、これがなかなか出来ない、、、。(2011年春詠)
鯉はねて後は音なき池の春
池の近くを歩いていると、突然大きな水音がした。驚いて音のした方を振り向くと、跳躍した大きな鯉がちょうど水に沈もうとしているところだった。後には何重にも水輪が広がり、それが収まると何事もなかったように静寂だけが残った。それっきり鯉は跳ねなかった、、、。「古池や蛙飛びこむ水の音」よりも音は大きかったと思う、、、。(2011年春詠)
桟細き倉敷格子柳の芽
倉敷美観地区での句。朝のまだ人通りが少ない頃の美観地区が好きです。かといって、その頃なら良い句が詠めるかというと、そうでもない。たいていが倉敷に着く頃には、津山からの長旅の疲れで、頭は朦朧としていることが多い。七句の出句は至難の技で、ついついこんな句になってしまうのです、、、。ハ、ズ、レ、、、。(2011年春詠)
まんさくや不在てふ札表戸に
通勤途上にあった酒屋の女将さん。ご主人を亡くされ、サラリーマンの息子さんと二人暮しになり、今はとうとう店を畳まれてしまった。これはご主人が亡くなられてしばらく経った頃の句。犬の散歩や、近所にある公民館の花の面倒を見たりと、とにかくよく動かれる方で、店は留守のことが多い。とうとう「不在です」と書いた札を出されるようになった、、、。これって大丈夫(?)と思っていましたが、何もなかったようです、、、。店の前にはいつも季節の花を大胆に飾られて、それを見るのが楽しみで、何句も詠ませていただきました。この句もその一つ、、、。(2011年春詠)