宮の柚子一つ頂き冬至の湯

掲句は昨年、「ご自由に・・・」の札付きの箱の中の一個。今年は準備万端、先日所用で田舎に帰ったついでに実家の柚子を採って来ました。自分で柚子を採るなんて何年ぶりの事でしょう。時々触れる刺の痛さも久しぶりでした、、、。(2019年冬詠)

雨戸繰るそこに冬芽の育つ幸

二階の窓の外にある辛夷の木、つい先日落葉したばかりなのにもう新しい冬芽が育っています。この中に花芽がいくつあるのでしょう。それは冬芽が育つにしたがって分かってきます。毎朝雨戸を開ける度にどうか沢山咲きますようにとお願いします、、、。(2019年冬詠)

極月の橋を転がるレジ袋

確かに有料化によって捨てられているレジ袋は少なくなりました。掲句のような景も今年はまだ見ていません。とは言え、捨てられるゴミが無くなった訳でもありません。こんな景を見る事が無くなる日が早く来ることを願っています、、、。(2019年冬詠)

路地裏の鉢に育てし根深ねぎ

観光地も一歩路地裏に入ると観光とは無縁の暮らしが見えてくる。二階には洗濯物が並び、軒下にいくつも置かれた鉢には草花と一緒に冬野菜が元気に育っている。大きく育った葱の鉢には数本を残して収穫の跡がぽっかりと、、、。(2019年冬詠)

着ぶくれて露座売並ぶ河畔かな

昨年暮れの倉敷美観地区での句です。美術館あたりの河畔に並ぶアクセサリーを売る露店、寒いにつけ暑いにつけすっかり風景に溶け込んだ存在でした。それが今年は禁止になったとか。細かい理由は分かりませんが、あの風景が好きだった者にとっては寂しいかぎりです、、、。(2019年冬詠)