また待春の句です。待ち遠しくてついつい使ってしまうようです。水鳥達も眠りながら北へ帰る日を夢見ているのかも知れませんね、、、。(2019年冬詠)
月: 2021年1月
骨正月猫がねずみを咥へくる
二十日正月、正月の納め日と書いてある。骨正月とも言うのは正月用の魚の残りの骨で料理を作ったことからとも。昨年はこの日が我が家の猫の狩初め、大きなネズミを咥えて帰って来た。新聞紙を広げて食べる所を作ってやったり、褒めてやったりと大変だった。ちなみに今年は小正月が狩初め、雀を咥えて帰って来た、、、。(2020年新年詠)
三匹の侍然と着ぶくれて
去年まで朝の散歩で出会っていた散歩仲間らしい男三人連れ、どういう訳か今年は会わなくなった。一人は私より若そうながっしりした体格の男、一人は背の高いひょろりとした男、もう一人は一番年上らしい小柄な男。三人三様に着ぶくれて、横一列で歩いて来るとそれなりに絵になっている。すれ違う時に挨拶を交わすだけだが、会わないとなると気になる。どうされているのか、、、。(2019年冬詠)
待春の菓子舗ののれん菫色
句会への途中、国道を逸れて足守の古い街並を抜けます。その途中にある和菓子屋さん、いつも暖簾の色をチラッと見て通り過ぎます。さすが和菓子屋さん、暖簾の四季おりおりの色がきれいです、、、。(2019年冬詠)
コトコトと寒夜を急ぐ終電車
同じように走るのに始発の音は元気よく、終電の音は控えめに聞こえる。時々外に出て見るが、単線の一両だけの終電車、明るい車内にほとんど乗客の姿は無い、、、。(2019年冬詠)
待春の川の煌き見て飽きず
ここ数日は暖かくて待春を通り越してすでに春になったような天気です。ところがどっこい、自然はそう甘くはないですね。掲句は昨年の今頃、、、。(2019年冬詠)
添物のやうに猫ゐる冬日向
だいぶ日差が戻って来ました。日の当る枯草の中にちょこんと猫が、、、。(2019年冬詠)
鯛焼の餡のはみ出すしつぽかな
どっちから食べようと勝手なのですが、この時は、、、。(2019年冬詠)
魚焼く匂寒九の雨となり
雨の日に散歩するとなぜか料理の匂がしてくる事がある。この句の場合は鰯を焼く匂、、、。(2019年冬詠)
涸川のひとすぢ残る水の音
だんだんと水が少なくなって、とうとう川底の一筋だけになってしまった。まるで川底に出来た新しい川のように見える。細いながらに瀬や淵があり、一人前に小さな音を立てている、、、。(2019年冬詠)