威銃鳴りつつ雀太りつつ

「威銃ゥ、あんな物ぁ怖いこたぁありゃあせんで、ちょっと飛び上がって見せるだけじゃが」「せえでもなあ、ちいたあ効果がねえと、農家の人に気の毒じゃからなあ」とでも言いたげな雀の群が、威銃から少し離れた田圃に群れて姦しい、、、。(2014年秋詠)

行合の空や秋雲控へめに

行合の空なんて洒落た言い方があるものですね。季節が移り変わる中間点の空を行合の空と言いますが、ことにそれらしいのは夏から秋へ移る頃の空ではないでしょうか。まだまだ暑い空には積乱雲が勇姿を見せていますが、その空の端っこのほうで申し訳なさそうに秋の雲が流れて行きます。何となくその間に感じられる区切りが前線でしょうか。やがて立場は逆転して、積乱雲が隅っこのほうに見られるようになるのですが、もう少しですね、、、。(2014年秋詠)

パティシエの帽子の高し木の実降る

昨日は「明日から冬の句」と書いておきながら、よく考えたら「木の実降る」は秋の季語ですね。冬に詠んだ秋の句です。岡山の喫茶店での句会、最初は「冬木立」で出したのですが、皆さんからのもう一つとのご意見で、「木の実降る」に変えました。で、角川の俳句に投稿したところ、小島健さんの秀逸に入りましたよ!句友の皆さんのおかげです。句会の前、イトーヨーカドー付近での景です、、、。(2013年冬詠)

行く秋と思へば白き風の音

早いようですがやっと今日の日がやってきました。秋は思いのほか過去に詠んでいる句が少なくて、このブログを書き続けるのに苦労しました。明日から冬の句になりますので、またしばらくは大丈夫です。一日一句のなんと難しいことよ、、、。(2013年秋詠)

晩秋の日差の中の部屋埃

気が付くと南側のガラス戸から斜めに入った午後の日差が机の下にまで到達している。こんなにも太陽は低くなったのかと感慨に浸りながらガラス戸のほうを見ると途端に現実に引き戻される。光の中を部屋の埃がまるで綿虫かなにかのように浮遊している。ずいぶん長い間掃除機もかけていないような気がする、、、。(2011年秋詠)

お役所を巡りて釣瓶落しかな

いよいよ日暮が早くなって来ましたね。掲句は母が亡くなった年の秋、後の手続きに役所巡りをしたときの句です。津山を出発して、高梁、総社の市役所へ、その途中で実家へも寄ったりして、手続きが終わって外に出るともう夕暮、役所の手続きは難しい、、、。(2011年秋詠)