保護色なのでしょうか、この季節になると枯色のカマキリを見るようになります。それも生気のないどす黒いような枯色、死んでいるのかなあと思ってつつくと少しだけ動いてまた止まってしまう。掲句は反対、死んでいるのかなあと思ってつついたら本当に死んでいた、、、。(2016年冬詠)
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裏木戸が主たる入口石蕗の花
冬になりました。石蕗の花がきれいに咲いています。掲句は一人暮らしのお宅の玄関脇の石蕗の花。何度行っても玄関が閉まっていて応答がない。困って隣で聞くと、「玄関はいつも閉まっとる。横の木戸から入って奥のほうで呼んだら出て来るから」と教えられた。なるほど、石蕗の花のもう一つ横が細い道になり、古びた木戸へと続いている。こちらはすっと開く。家の横を通って裏へ行くと二階へ続く階段がある。そこで大きな声をするとガタガタと二階で音がして、ようやく返事が返ってきた、、、。(2016年冬詠)
蛇口より氷柱一寸外厠
やっと寒波が抜けそうな雰囲気です。掲句、古い冬の句です。記憶をたどって行くと、たぶん田舎へ帰る途中の峠にあるうどん屋の外厠だろうと思います。昔ははこれが普通の冬の寒さだったような気がしますね。とは言うものの、寒波はもう懲り懲りです。早く本物の春が欲しいですね、、、。(2001年冬詠)
日脚伸ぶ村に小さき札所寺
節分、いよいよ明日は立春です。古い句です。四国八十八箇所の霊場ではありません。札所寺にもいろいろありますね。三つぐらい霊場が重なったような寺も、、、。(2003年冬詠)
大寒の骨軋ませて行く散歩
寒のお別れに大寒の句です。寒いとついついこんな感じになってしまいます、、、。(2015年冬詠)
家ぢゆうが濡れてゐるやう雪の後
昨日やっと二週間前の雪が消えました。こんなに長く残っているのも近年無かった事です。まだ少し湿っぽさが残っていますが、もう少しです。ここでこれぐらいだから雪国では大変だろうと思います。昔雪の京都で喜んでいたら、福井の人に「雪が降って楽しいと思った事なんて一度も無い」とぶぜんとした顔で言われた事があります、、、。(2015年冬詠)
待春のざわめき満ちし絵画展
図書館に行ったら近くのホールで絵画展をやっていた。津山には美術館もなく、そうそう機会があるわけではないし、時間もあったので入ってみた。絵画教室主宰で入場は無料、出展者やその知り合いや家族らしい多くの人で賑やかだった。絵はそこそこ力作ぞろいで、絵が描けない私には羨ましいものだった、、、。(2015年冬詠)
格子戸の影も格子に日脚伸ぶ
句会場のあきさ亭にて、、、。(2015年冬詠)
ポン菓子の音のはじける冬の空
匂いをたどって行くと社務所の裏手に。屋根の下に据えてあるのは懐かしいポン菓子を作る(私の田舎ではポンポン菓子)機械です。そばの鍋には匂いの元の豆が煎られています。もうじき弾けるところ、挨拶をしてわくわくしながら待っているとハンマーで一気に、バーン!、、、。豆と一緒に小さなビニール袋に入れて豆撒き用の福豆セットを作るそうです。「昔と違うてこうせんと子供は拾わんのです、食べてみます?」と出来立ての大きな塊を差し出されるので遠慮なく、、、。(2015年冬詠)
節分の用意か豆を煎るにほひ
阿知神社の境内に立つと豆を煎る良い匂いが漂っています。その匂いにつられて、、、。<明日に続く>(2015年冬詠)